#52《おまじない》 ページ4
shp「Aさん、目瞑って｣
『えっ』
shp「いいから、目瞑って」
私は言われた通り目を瞑る。てっきりいつものように色々と質問されるんやとばかり思っていた。
『…瞑った』
shp「ん、じゃあ俺がいいよって言うまで絶対目開けたらあかんからな」
ショッピくんはそう言った瞬間、急に全身が温かみに包まれる。
ショッピくんが私をぎゅっと抱きしめたのだと気づくのに、そう時間はかからなかった。
いつも着ている上着からは、彼がよく私に隠れて口にくわえていた煙草(?)の匂いがツンと香る。
shp「ありがとう…A」
『！』
shp「俺にこんな思いさせんねんからAは立派な悪魔や。せやから、向こうの世界でも胸張って生き」
『ショッピくん…』
shp「Aなら試験も乗り越えられる。なんならおまじないかけといてあげますよ」
『ほ、ほんと？』
ショッピくんのおまじない。
人間だし、悪魔の私に効くのかはわからないけど、彼から貰えるものは全てが嬉しかった。
それと同時に、そこまで、彼のことを好いてしまった自分を再確認し、少しうるっとしてしまう。
shp「絶対効くおまじない」
目開けていいですよ。と言われたので、目を開ける。
すると、彼は私の前髪をかきあげて、ちゅ、とおでこにキスを落とした。
…おとした？
『っ！？？』
shp「ふっ、悪魔って食べても意外と美味しいんちゃう？」
そうニヤリと悪魔のように口元に弧を描く彼だが、表情はこの世のなによりも優しく見えた。
…おまじない、効くかもなぁ。
余韻に浸っていると、急に視界が明るくなる。
それは、魔法陣が光を帯び始めたからだった。
___「門、開かれる時」
そんな声が聞こえ始め、向こう側から詠唱されていることに気がつく。
shp「A！」
彼は私の背中を押すと、これまでにない笑みを浮かべた。
私は振り返り、その笑みを見た瞬間、
…これだけは！
というものを思い出した。
shp「A？っ！」
私は羽を出し、彼の目線の少し下まで飛び跳ねて、彼の頬にキスをした。
彼は驚いたような表情をする。
『ふふ、私からもおまじないっ！ショッピくんにいいことおきますよーにっ！』
私は悪魔らしく、悪戯に笑いながら、詠唱される魔法陣へと吸い込まれていった。
遠くの光の方で、ショッピくんが、
shp「じゃーな！悪魔のような天使！」
と言いながら、顔を赤くして笑っているのが見えた。
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雪村(プロフ) - 彩世さん» 彩世さん、コメントありがとうございます！えぇ、ほ、本当ですか！？いつも作品を読んでいただき誠にありがとうございます！作品を好きと言っていただけて、作者としては本当に嬉しいです。改めまして、最後までご愛読して下さり誠にありがとうございました！ (2021年7月19日 22時) (
レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 天井(あまい)さん» 天井(あまい)さん、コメントありがとうございます！わー！面白かったと言っていただけて本当に光栄ですし、嬉しいです！最後までご愛読して下さり誠にありがとうございました！ (2021年7月19日 22時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - #Chihiro*さん» #Chihiro*さん、コメントありがとうございます！最後までご愛読して下さり誠にありがとうございます。作者としては感謝でしかありません。またどこかでお会い出来ますと嬉しいです！ (2021年7月19日 22時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
彩世(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく見させていただきました。雪村さんの作品すごい好きで、いつも楽しくて読ませていただいています。これからも応援しています！ (2021年7月16日 7時) (レス) id: ae3caf883a (このIDを非表示/違反報告)
天井(あまい)(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです…… (2021年7月16日 6時) (レス) id: 69217dc78e (このIDを非表示/違反報告)
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