11枚目 ページ12
緑の葉に生え変わった頃、Aはまた同じ所でキャンバスに絵を描いていた。
彼女に色の判別はもちろん出来ない。だが、形で花から葉に生え変わったことくらいはわかる。
rbr「あの…！」
『ロボロさん！今日もいらしてくれたんですね』
彼女は声をかけた男性に向かって微笑んだ。
ロボロは、最近毎日のようにここに来て1時間ほど談笑する。
rbr「最近ここに来るんが楽しくてな。どうや？進んだ？」
『昨日はどこまで見られたんでしたっけ…』
そう言って、Aが彼にキャンバスを見せると、驚いた顔をした。
rbr「え！もうほぼ完成やん！」
『まだですよ。これから影を塗っていくんです』
rbr「やっぱり今回も白黒なん？」
そんなロボロの言葉に、Aは鉛筆を置いた。
『…ロボロさんはあの木、何色に見えますか？』
rbr「え？…木は茶色やろ、葉は綺麗な緑色してんで」
『茶色と…緑色…』
彼女はトランクから色鉛筆と書かれた箱を取り出し、緑と茶と書かれた鉛筆を手に取った。
そして、置いた鉛筆も再度持ち直し、新しい紙に三本線を引いた。
rbr「？なにして…」
『黒色…』
rbr「黒？」
『私、色の識別が出来ないんです』
彼女は俯きながら話し始める。
『この３本の線、普通は違う３本線に見えるそうなんです。けど、私は生まれつきこの線達は同じにしか見えません。』
rbr「…」
『お医者さんに言われて、この世界に色があることを初めて知りました。白黒だけじゃない、って…』
rbr「…そうやったんや」
『すみません、暗い話のように話してしまって』
いつも通り顔を上げ、へらっと笑ってみせると、彼は紙の下で眉を下げていた。
rbr「無理に笑わんでええよ。本当は教えたいことでもなかったんちゃうんか」
『ロボロさんになら、話してもいいかなって思いました』
rbr「気ぃ許しすぎや」
素性わからん様な男やで。と彼が付け加えると、Aは吹き出して笑った。
『ロボロさんは絶対悪い人じゃないですよ』
どこからその安心感を抱いているのか不思議に思うロボロに対し、Aは事情を話したことでスッキリしたのか、また鉛筆を握った。
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あまね(プロフ) - ぼくもスタンプラリーしたいんで完結はちょっと待ってください（） (9月2日 20時) (
レス) @page49 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
モカブラウン(プロフ) - 3作品のうち2つ見てます！もうひとつも時間がある時見ますね！ (2021年2月11日 18時) (レス) id: e467f9631d (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！！！！！！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - この二人がカップルにしか見えない私は末期です？？ (2020年12月6日 20時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
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