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手招きをする彼に近寄ると優しく抱きしめられた。福沢さんと名を呼び、顔を見ようとすると力が強められた。彼は頭を優しい手つきで撫で乍静かな口調で私を諭した。
「あまり、Aに無理をされては困る」
口数が少ない彼の優しさだ。何時も甘えられている方だったのに、矢張り私より年上だからか__大人の余裕か。すっかり彼の腕の中に収まってしまっていた。
心地良い心臓の音に自然と瞼が閉じる。髪を指ですき、頭を撫でている福沢さんの声は心地が良い。求婚された時は驚いたけれど、彼と決してして良かったと思っていた其の時。
遠くの方で不満そうな声がした。閉じようとする瞼を擦り、其の人物を確認すると彼はお風呂上がりなのか髪から水を滴らせていた。
「……畳が、森さん、畳が」
「酷いじゃないか、A。私にも甘えておくれ」
酷いのはどっちだと世間に問いたい。彼は普段エリスと云う少女を溺愛しているのだ。妻の私が目の前に居ると云うのに、酷い! (実際、エリスに会ってみると私にとても懐いてくれた。然も美少女だった為、私は静かに彼女を抱きしめた)
腕を広げる森さん。其れを無視し、彼の首から掛かっているタオルを奪い取り髪を拭くと嬉しそうに笑った。大人の色気か、彼のお風呂上がりに見慣れないのか変に心臓が忙しく動く。
タオルを投げ捨て、終わりですと告げると森さんは不満そうに唇を尖らせる。「終わりです」ともう一度云うと、私の身体は後ろに引っ張られ倒れた。
「……福沢さん、ん」
あまりされなれない接吻に目を細める。優しい手つきで頬を撫でる彼は矢っ張り大人の余裕のようなものがある。彼は唇を離すと私の頬を引っ張った。怒っているのだろう、彼の優しさにきゅうと胸が締め付けられる。
けれどこんな雰囲気の中、森さんが黙っている筈が無い。森さんも私の腕を引っ張ると接吻をした。(彼にしては)短めの接吻から、彼は私の喉に軽く噛みついた。
「喉への接吻の意味は……知ってるね?」
彼に押し倒され彼と天井、そして驚いたような福沢さんの顔が見える。獲物を見つけた肉食獣のような笑み、福沢さんの喉が動いた。接吻と云うか、噛みつきだったけれど。
「“欲求の赴くまま”で申し訳ないが……」
「Aには、甘えてもらわないとねェ」
大人な彼等は妖艶に微笑む。私は今夜も徹夜になりそうだ、と微笑んだ。
Fairu.6 谷崎潤一郎×ツンデレ系妻×江戸川乱歩(ろん様リクエスト)→←Fairu.5 福沢諭吉×しっかり系妻×森鴎外(根室様リクエスト)
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マリマリ - ドス君とゴーゴリ君でお願いします。 (2018年2月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
もふ子(プロフ) - マカロンさん» 遅くなってしまってすみません(^-^; はい、了解しました! (2017年11月5日 17時) (レス) id: b313acaf74 (このIDを非表示/違反報告)
もふ子(プロフ) - Junさん» 遅くなってしまってすみません(^-^; はい、了解しました! (2017年11月5日 17時) (レス) id: b313acaf74 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - リクで、中也さんと僕(芥川)お願いします! (2017年10月20日 16時) (レス) id: d2e6ec52ac (このIDを非表示/違反報告)
Jun(プロフ) - リクエストで太宰さんと森さんの二人を書いてくださいっ! (2017年10月19日 7時) (レス) id: 9dd92fd273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もふ子 | 作成日時:2017年5月4日 22時