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壱 【月都のじゃじゃ馬姫】 ページ1

「ーーーねぇ!そろそろ城の外に出たっていいでしょ!??私は16だし今はまだ昼間よ!!」

穏やかな春風吹き込む月都。その中心部に建つ月詠城《つきよみじょう》の庭園で少女の荒げる声が響いた。
不満げに目の前の使用人をじろりと睨む。そのご機嫌斜めな城主の娘ーーー桜華に使用人の男は困り果てた。
「し、しかし姫様。お父上殿からまだ御許しが...」
「んなもん私がぶん取ってやるわ!...都の城主跡継ぎが16にもなって城の外を...月都の、民達の姿を見た事が無いなんて...私は嫌よ!絶対に嫌!!」
「ひ、姫様ぁ...」ご立派になられて、という使用人の視線に桜華は隠れて舌を出す。
「お父様だって許してくれるわよ」
「え、いや...しかし姫様...」「む、何よ」

頑なに外に出る事を良しとしない使用人に桜華はまたもや視線を鋭くさせる。
「もういい!お父様に頼み込んでくる!!」「ひ、姫様ぁ!?」

引き留めようとする使用人の声に聴く耳持たず、ずんずんと桜華は進んでいく。それに亜麻色の髪もゆらゆらと揺れる。
月都の第一姫君、桜華。
お転婆でわがままでお淑やかなんて何処へやら。
道中驚く使用人たちの視線も気にせず父の部屋へと足を進める。

(いつまでも籠の鳥でいたくないのよ!)

桜華の手が豪華な造りの襖に伸びた。

※世界観と登場人物→



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設定タグ:オリジナル , 和風 , 妖怪   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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雪麻呂(プロフ) - 雨咲☆智華さん» 初コメありがとうございます!!それに面白いだなんて嬉しいです(≧∇≦)拙い文章力ですがこれからもよろしくお願いします(´∀`*) (2017年5月28日 22時) (レス) id: 91fb32a126 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲☆智華(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!なんていうか、こういう和風な話?すごい好きです!!更新待ってます! (2017年5月28日 21時) (レス) id: e9c8a5e518 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪麻呂 | 作成日時:2017年5月7日 5時

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