愛に溺れて依存症

愛情28杯 ページ28

お兄ちゃんの話、だってせんらくんのことだもん
話さないよ、

仲良くなったばっかりだもん、

「お母さんもお父さんも見た事ないし、お兄ちゃんも居るかわかんないじゃん！」
「嘘ついちゃだめなんだぞー！！」

先生が止めていたり、口を出す皆のお母さんが止めてるけど、楽しんでる子供は止まらない。

「お兄ちゃんなんて居ないんだろ！」

『ｯいるもん……』

「だっていつもAちゃんの家族だれもきてないじゃん！」

ぶわっと黒い感情が私の中をぐるぐる回った

来てなくてなにがわるいの、
皆の親みたいに優しくないんだから。

私は違う、私は愛されてない
愛されてる皆は幸せなのになんで私が責められてるの

来てくれる家族なんて居ないのに、
一人ぼっちの私を誰も気付いてくれない。

じわ、と目に涙が溜まる

その時、扉がｶﾞﾗﾗｯと開く音がした

セ「はぁっ、あれ、A、もう発表終わっちゃった？」

せんらくんが、来てくれた、

『おにー、ちゃぁｯ』

つい口からこぼれた言葉。
多分来てくれたってことはなんとなく察してくれてて、その言葉を聞いても微笑んでくれた

ぼろぼろ泣きながらせんらくんの方に行くと目線を合わせてくれて抱き締めてくれた

セ「なんで泣いてるんー？発表間に合わんかった？ごめんなぁ、急いできたんやけど」

先生が寄ってきて事情を話してくれた

クラスの皆は途端に静かになった。
私が泣いた上に"お兄ちゃん"が居たから

さすがにこのまま授業を受けさせるわけには行かなかったのか、先生に許可をとってせんらくんが保健室まで連れてってくれた

保健室の先生も気を使って職員室に戻ってくれたし

セ「いつまで泣いてるんー！Aは笑ってる方が可愛いから泣きやめーっ！！」

せんらくんの呼び捨てはほんとにお兄ちゃんみたいで居心地がいい。

『わたしｯ、さくぶん、せんらくんのこと書いたの、』

セ「僕のこと書いてくれたん！？」

思ったよりもオーバーリアクションに喜んでくれるせんらくん、

"このままがいい"
ずっと、このままがいい

溢れる感情が止まらなくて

『せん、らくん、私のこと"ゆうかい"してよ、私、もう家帰りたくないのｯ、"お兄ちゃん"になってよ、、！』

セ「え、」

私の泣き声だけが保健室に響く、

『みんな、みんな、私のこと好きじゃないの！まま、は、私のことみえてない、私のこと必要としてるひとはいないって言うの、！だからｯ』






『せんらくん、だけなの…』









セ「……ええよ」

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