愛に溺れて依存症

愛情24杯 ページ24

思い詰めたような表情で見つめてくる坂田さんに喉がぐっと詰まる

すると坂田さんは数秒してからさっきまでの表情とはうってかわって、にんまりと笑った

坂「こんなのとかどぉ？」

一瞬で理解できた
私があまりにも嫌がるから、私が嫌がらない愛し方を試したんだ。"好き"なんて真正面から言われて私が嫌がらないはずがない。

でもそれを理解した私は嫌悪感が込み上げてきて坂田さんを突き飛ばしてしまった。

床に尻もちを着いた坂田さんは私の方を見上げて驚いた表情を見せた

『っ〜！なんでっ！！そんな人の心を弄ぶような…！！！』

私は？
人からの恋愛感情を利用して自分の欲を埋めようとしてる私は人の心を弄んでるって言わない？

口が震えて涙が零れる

今まで私はこんな酷いことをしてたって、？
そんなわけない、私は、私は私のことを好きでいてくれる人に、無理やりじゃない、こんな、こんな……

また、泣いた

この場から逃げたかった。
現実から目を背けたかった。

坂「っあ、」

泣きながら走って、走って、階段を降りてリビングを通って玄関に向かう

う「Aちゃん！？」

セ「えっどうし…」

志「どこ行くん！」

心配の声も聞かずにただ走って走って。

『ｯはぁ、ﾊｧｯ、』

まともに運動もしてないせいで体力はすぐ無くなったけど、気づいた時にはネオンライトに照らされる夜の街に独り。

履いてきた靴はヒールで、走ったから足も痛い。涙も止まらないし。
周りの笑い声も怒鳴り声も。全てが不快。

立っていられなくてしゃがんでいると

「あれ？Aじゃね？」

男の人の声。私の知ってる声。大嫌いな声だ

「お前あのちっちぇ男どうしたwwwなに？フラれた？w」

クズ野郎の元カレ。

…なんでこんなとこに

「相手いねぇならさ、俺と遊ばね？彼女今でかけてて暇だし」

私の腕を引っ張って立たせてくるソイツ。

『さわ、ないでｯ』

すると誰かが後ろから私のことを抱きしめてソイツから引き離した

セ「は、ｯはぁｯ…この子に手、出さないで貰えます？」

『せ、んらさ……』

「え、なに、また新しい彼氏作ったのお前wwお兄さんそいつやめといた方がいいよww」

ふ、と嫌な予感がした

「そいつ、愛されたいだけで自分が相手のこと好きじゃなくても付き合うからさww」

頭が真っ白になる。
数秒が何時間にも感じて、心臓が止まったようにも感じた。

センラさんに、センラさんに嫌われ──









セ「…知っとるけど、それが何」

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