猫の気まぐれ3【イナズマイレブン】 (ページ16)

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101話ページ16

「構わないさ。お前には分からないだろう、俺達の思いなど」

「世界と戦うための力の代償ならばこれほどの苦しみ耐えてみせる！俺は究極！俺こそ最強！誰も俺に勝つことなど出来ない！」

『何を、言っている』

驚くほど冷たい声が響いた。声の主は猫村

佐久間も不動も、円堂も此処にいる全てのプレイヤーが猫村を見ている

猫村は影山の養子だと言っていた。だが逆にそれしか言っていない

あいつは影山の何を知っているんだ

帝国での俺と同じように見ているのか、それとも巨悪としてか

『分かりたくもない、そんな気持ち。お前は悔しくないのか…？自分の心を、その世界と戦いたいという気持ちを悪用されるんだぞ！』

「！気持ち…だが世界と戦えるのならば！そんなことどうでもいいんだ。何だっていい！この痛みも全て！」

猫村がヒートアップしている。デモーニオも。だが今はこれでいいのかもしれない

あいつも発散したいことがあるのだろう

『失明してもいいって？サッカーができなくなっても？』

「ああ！そうだとも！」

『っ私の右目を奪って、また人の目を奪うつもりか！！』

デモーニオの返答は影山に依存しているような不気味さだった

猫村が影山の方を向いて放った言葉…右目を奪った…？

『貴方が勝利を欲する理由は分かる気がする。でも、どうしてあなたは人を傷つけているんですか…』

一歩前に立つ雪夜の背中が小さく見えた

なんだかんだ色々手伝わせてるけど、普通の優しすぎるくらい優しい女の子なんだよな

影山の俺達を気にかけてくれる親心、東吾とサッカーへの憎悪から勝利を欲する醜悪な心

雪夜はその二面性を鏡のように映し出している。影山に対する感情が素直というか、知らなかったからというか

影山がすることに対する反応が良いことをすれば褒める、悪いことをすれば怒るという普通の人に対するものと同じ。偏見も持たない

俺は恨み続けてやると決めているから表面上で気持ちを繕っているがあいつは違う。心の底からの気持ちを引き出していて良心と悪意を結び付けて考えていない

これは誠実なのか、不気味なのかは分からない

でも我が妹ながら凄い奴だと思う。いろんな側面から影山を見てるから

俺らの立場からしたら普通、両親を奪われた怒りでそんな風になれないものだと思うんだが

まぁいろいろ受け入れたり、受け入れられなかったりで行き着いたみたいだから心のバランスを保つのは大変だろう