月ノ森の夏休み!! ページ3
翌日。
朝のホームルームの時間になった。
教室の隅で、「二葉つくし」ちゃんが
プリントを片手に先生と話し合っているようだ。
『おお……学級委員も大変だなぁ……』
私には到底こなせそうにないなぁ……
そして、つくしちゃんは堂々と教壇の上に登る。
「すぅっ……皆さん、よく聞いてください!」
この一言で、クラスの注目はつくしちゃんに集まる。
「明日から、皆さんお待ちかねの夏休みが始まります!」
その瞬間、わぁっと小さな歓声が起こる。
きたぁっ、夏休みだ……!!
クラスの子達も、高校生活初めての夏休みに、
心を躍らせているようだ。
倉田さんも、どこかウキウキしているように見える。
「はいっ、皆さんお静かに!
これから夏休みの課題を配って行きますよ!!」
課題かぁ、2、3日で終わらすかぁ……。
などと思っていたその時。
隣からものすごい気配を感じ、振り返ると……
「……課題……課題課題課題、か、かだい……?って何だっけ……(ゲシュタルト崩壊)
……うぅ……とりあえず嫌だ……ブツブツ……」
く、倉田さん……
『課題、大変だよね!!一緒に頑張ろう!!』
……とも言えないような殺気立ったオーラをまとい、
俯きながら呟いていた。
「く、倉田さん……??大丈夫?」
と、声は掛けてみた。
「う、うん、大丈夫……胃は痛いけど……あはは……」
そう言って倉田さんは力なく笑う。
……ヤバいやつじゃん……
ヤバすぎて笑うしか無くなってる状況だよね……おほほ……
……お、これこそ、距離を縮めるチャンスなのでは……!
「倉田さん……!もし良ければ、私が教えてあげようか??」ニコッ
倉田さんは一瞬驚いた様子だったけど、
「い、いいの……!?ありがとう……!」エヘヘ
と微笑んでくれた。
ズキュンンンンンッッッ!!
思い切りハートを撃ち抜かれた感覚……!
……はぅっ、眩しい……
倉田さんが笑うと、こんなに眩しいんだ……!
「うっ、うん!!もちろん!あ、後でライン交換しよっか!!」
「わ、分かった!ありがとう……!」
今度は逆にこっちが緊張してしまった。
倉田さん、やはり何者っっ……
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あかね - しろちゃん可愛いなぁ〜って改めて思えたんですけど、更新が…(( (2021年11月12日 1時) (レス) id: 8662c48991 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪苺ゆき | 作成日時:2020年7月28日 16時