不公平すぎる ページ12
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それはまあ唐突な出来事だった。
気づかなかったのは、彼が鈍かったからか、同時に集まる機会があまり無かったからか。
『一織くん、これこの前の会議の議事録ね。』
一「ありがとうございます。中川さんは仕事が速くて助かりますね。」
『あ、あと、三月さんにこれ渡しておいて欲しい。前ご飯お裾分けしてもらったからお礼に。』
一「あなたねぇ…ありがたいですけど、そんなに気が利くのにどうして自炊管理ができないんですか。」
『う、面目ない…』
なんて話をして、しばらく今後のスケジュールを打ち合わせた後、そのまま帰ろうとしたんだけれど。
「なんで一織たちは名前呼びなの…!?」
玄関で靴を履こうとした私に投げかけられたその質問が、私の足を止めた。
『こんばんは、七瀬くん。』
七「こんばんは……ってだからそれ!オレのことはいつも苗字呼びなのに〜…」
『あの二人兄弟じゃん。最初和泉くんと和泉さんで分けてたけどわかりにくいから名前にしてくれって。』
七「オレは?」
『名前で呼ぶ理由がない。』
七「そんなに嫌なの!?」
涙目になる彼を見て、良心が痛むのを感じた。
七「天にぃだって名前じゃん、天くん呼びじゃん…」
『あれはその……すごく個人的な理由で、』
七「むぅ、オレだって名前で呼ばれたい…だめ?」
『可愛い顔しないで。』
七「可愛い禁止だってば!いっつもそう言ってオレの話誤魔化すでしょ!?」
毎回可愛いに関しては本心なので、なんとなく反応に困ったけど。
いや、無理があるでしょ。実際に「むぅ」って口に出して似合う18歳男子なかなかいないよ。正真正銘に可愛い路線だよ七瀬くん。
『しょうもない理由だから気にしないで。遅いから私もう帰るね。』
七「ちょっ…待ってよもう、意地悪〜!」
心外、と心の中で呟くと同時に、玄関のドアが開いて思わず後ずさる。
「?なっちゃんじゃん。なんでここにいんの?」
「珍しいね。誰かに何か用?」
MEZZO"のお2人だった。
『一織くんと打ち合わせしてたんです。もう終わったから帰ります、じゃあね。』
七「環、Aを捕まえて!ナギを呼んで打ち明け話させるから!!」
『は…!?』
四「腕掴んどきゃいいー?」
『ちょっ…』
軽い感じで言った割にはしっかりガッシリ掴んでるな四葉くん…!力がっょぃ
対して全身の力を使っても振り払えない私、ょゎぃ
高校生恐るべし。
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天ヶ瀬(プロフ) - 更新お疲れ様です‼️この小説ほんとに大好きですみんな解像度高くて解釈一致すぎます大好きです、、、😭😭更新きた瞬間飛び跳ねましたこれからも応援してます頑張ってください‼️‼️ (1月9日 21時) (レス) @page17 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
名無し47300号(プロフ) - 更新ありがとうございます😭 (10月30日 12時) (レス) id: bb80c8ded9 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - ふははははははは!!!今までの元カレが塵のようだ!!!!!三月結婚しようか。あ、りっくん目があったね?逃がしませんよフフフフフこんな素晴らしい話を読んでりっくんに浮気とかしないわけないじゃないですかミツカン (9月27日 12時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - くっっっっっっ......好きです......ありがとうございます...応援してます!!!!!! (8月29日 0時) (レス) @page10 id: 8319d77ff3 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 初めまして!妹の特権シリーズ読んでからファンです!このお話も好きです(*´ω`*) (8月14日 3時) (レス) @page8 id: d3cdc3cfb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天野いろは | 作成日時:2023年8月5日 10時