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授業というものは面白い。


ただ座っているだけで、自分の知らないことが教えてもらえる。他の、私と同じ「生徒」も、さっきまではあんなにうるさく話していたのに、今ではとても静かに椅子に座って「先生」の話を聞いている。


この「生徒」と「先生」という関係も初めて知った。というか、今までは私をとりまく全てが「先生」だったから、はっきりと関係を分けているのにちょっと驚きを隠せない。


今は「現国」という、玄界の文学を習っている。今朝もらった教科書を開き、とりまるから渡されたノートを開く。ノートに習ったことを書き写し、忘れないようにする。画期的なアイデアだ。

たまにノートの提出を義務付けられるシステムらしい。生徒がきちんとノートに習ったことを書き写しているかどうかチェックするようだ。


でもこれって、ノートを写さなくても覚えてしまえる生徒のノートは真っ白なのではないか?それはそれでいいのだろうか?

現国の先生「では、次は出席番号、16番。最初の部分から読んでくださいね。」



「吾輩は猫である。夏目漱石。吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。ただ、暗いジメジメしたところでにゃーにゃー泣いていたことだけは記憶している。…」


この音読とやらはなんの意味があるのだろう?
内容の理解?理解したところで、何かの役に立つのだろうか?人によるのかもしれないが…。


現国の先生「では、今日はここまで。明日はこの続きからです。今日くばったプリントを忘れずに持ってきてくださいね。」


「きりーつ、れー」
「ありがとうございましたー」





授業終わりの挨拶をするために椅子から立ち、また座る。その後、ノータイムで次の行動、休み時間へと移す人がほとんどだ。


この「挨拶」という動作は多分教えてくれた先生に対しての敬意を示すためのものだったのだろうが、今では形式的なものへと成り果てている、ように見える。



(それはそれでどうなの…ていうか私、なんか注目あびてる…?)

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設定タグ:ワールドトリガー , 出水公平 , 烏丸京介   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時

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