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烏丸side
俺の後ろからずいずいっと頭を出した2人。
Aと佐鳥は入隊日の日にあっているはずだが、Aは覚えて…ないな、この顔は。
太一のことは知らないだろう。初対面だしな。
烏丸「そうだ。今はまだC級だが、こいつは強いぞ。」
佐鳥「うわ、とりまるにそう言って貰えるって相当じゃん!」
別役「まじか…見かけによらずってやつ?」
烏丸「ま、そういうことだ。軽く捻られる前に退散した方がいいんじゃないか?」
この2人は悪いやつじゃない。
Aに対しても、興味はあるけどそこまで気持ちの悪いような感情は向けないだろう。「仲間」に対しての庇護欲が強いふたりなら、むしろ…。
その証拠に、Aの表情が少し和らいだ。
そんなことは久しぶりだったのだろうか、反応に困ったように目を泳がせ、俺の後ろに隠れる。
2人は今はそっとしておくべきと考えたのか、「またね〜」と残して(恐らく)F組に向かった。それを見送ってから、彼女に向き直る。
烏丸「お前もクラス戻れ。もうすぐ授業始まる。限界きたら、昨日言ったように早退しろ。
いいな?」
「、わかった。あのさ、また来てもいい?」
おずおずと聞いてくる。
やはり慣れない環境に一日はきついか…。
烏丸「いいぞ。ただし、授業と授業の間の休み時間だけな。」
「うん!じゃあ、また後でね!」
烏丸「あ、ちょっと待て
次は俺がそっち行く。待っててもらってもいいか?」
「!わかった。まってる!」
彼女はほっとしたような顔をしてもう一度また後でね、と念を押すように言ってから教室を後にした。
去っていくその背中はとても小さくて、どれだけの感情をその背中に背負ってきたのか、今だけでも、どれほどの感情がその子に集まっているのか。
俺はそれを知るのが、怖い。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時