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出水side
朝、迅さんに言われた、「彼女に危険が迫っている」という言葉。
俺ら(俺と陽介)が学校に着いたのはやっぱりチャイムのなった後だった。本当は学校に着いてからすぐにでもあの子の顔を見に行きたかったけど、一応それは我慢した。
A組って言ってたから天羽がいるだろうし、隣のクラスには悔しいけど京介がいる。
他にも1年は粒ぞろいだ。
それに昨日のを見る限り、何が来てもあの子だけで何とか出来そうだって思えてしまえた。それでも守りたい、なんて柄でもないことを考えてたりするんだけど。
長い説教からHRまで全て終わってから、教師の「チャイムなるまで教室の中にいろよ」という指示を聞きながら教室から出る。一刻も早くあの子に会いたかった。
烏丸「出水先輩」
出水「京介」
1年のフロアに行くと、京介に声をかけられた。「何しに来たんすか」、と。
出水「今朝、迅さんに「あの子に危険が迫っている」って言われて…。それで、」
烏丸「出水先輩も、すか」
ん???出水先輩「も」???
「も」ってことは…
烏丸「俺も今朝言われました。「あいつに張り付いとけ」って。」
そう言うと京介は憎たらしいほどに綺麗な顔を1片も崩さずに「じゃ、俺はこれで。つぎ、合同体育 なんす。」と、マウントをとって去っていった。
出水「可愛くねぇ…!」
合同体育=隣のクラス男女で一緒に体育する=A組とB組の男女が一緒に体育の授業を受ける=京介とあの子が一緒に授業受ける
出水「俺も一緒に授業受けてぇよ!!!!」
この叫び声が1年フロアだけではなく、学校全体に響き渡ったことは知らなかった。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時