俺の好きな人は近界民だった。え、まじで？ (ページ47)

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夢主side

1時間目は体を動かす体育という授業を受けるらしい。体育という科目は、他の科目と違って自分のクラスじゃない人とも一緒に受けるらしい。私たちA組はB組と一緒に受けると聞いた。とりまるから。そのとりまるは嬉しそうな感情をだしていた。体育、好きなのかな？

さらには洋服も着替えなければいけないという。

「更衣室、こっちだよ」

そう言って案内してくれるのは、この学級の指揮官である学級委員長という役職の人の1人。もう1人男の子の学級委員長がいるとはいえ、女の子でも指揮官になれるのは、とてもいい事だと思う。

「わ、すっごいお肌綺麗だね！」
「お胸もおっきい…」
「これが烏丸くんの好み…」

更衣室に入り、着替えるために服を脱ぐと、周りの人達から口々に言われる。ボソボソと何を言ってるかよくわからなかったけど、こっちに意識を向けてきてるから、私について何か言っているのだろう。何かはわかんないけど。う…気持ち悪くなってきたかも…。

ん？とりまるのこのみってなに
木の、実…？

…好、み…？？？？？

え、とりまるの好きな…え！？？？

感情受信も忘れ、1人あわあわする。だってあのとりまるの…？？？

わたし、が！！！？？？？？

とりまるの！！！！？？

こ、この、好み！？？？？？！！！！？？

「だ、大丈夫？」

声をかけられるほど奇行に走っていたのか、学級委員長から心配する感情と共に引いた感情が突き刺さり、声もかかった。

「っーーー！」

男の人に好意を抱かれるのは初めてじゃないけど、とりまるからは何も感じなかった。のに好かれてる？自意識過剰かもしれないけど、そういうのは鵜呑みにしてしまう、そういうお年頃だ。

「ちょっと、ほんとに大丈夫？」
「大丈夫…です。」

そう言うと、「ほんとかなぁ…」と言って次は体育を受ける場所、ぐらうんどに案内してくれる。外にある、あの遮蔽物がなくてだだっ広い場所がぐらうんどらしい。別名、運動場。

委員長が言うには、男女同じ場所で違う競技をするという。この広さならそれは問題ないだろう。
問題なのは…

烏丸「いた。どうだ、体操服とかジャージとか、キツくないか？」

「っ！」

とりまるの視界に入らないようにしていたのに、目ざとく隙を見つけて話しかけに来た。
いや、いつも通りなら普通のことかもしれないけどさ！でも1回意識しちゃったじゃん？
だからか、心臓が鳴り止まない…