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烏丸side
迅「よ、きょーすけ」
一夜明けて朝、あいつを迎えに行くために玉狛に向かっている時。後ろから声がかかった。よく知った声だ。
烏丸「どうしたんすか、迅さん。」
迅「んー、いやね、若人の応援?」
ぼんち揚げくう?と、いつも通りの迅さんだけど、何かが違う。なにか、面白がっているような…
迅「今日はお前、あいつにはりついといたほうがいいよ」
烏丸「あいつに…?」
迅「そ。あ、じゃあ俺次のとこあるからまたな〜。」
じゃ、と言って角を曲がっていく迅さん。
次があるって言っていたけど、次に何があるんだ?
それより、あいつにはりついといたほうがいいよ、って…あいつが危険な目に合うってことか?
「あ、おはよ!とりまる」
そんなこんなを考えていたら、いつの間にか支部に辿り着いていた。
あいつはなおりきらなかった寝癖を手ぐしで押さえつけながらもう一方の手でこちらに手を振った。
烏丸「おはよう。寝癖、なおらなかったのか?」
「もー、女の子が気にしてることはズバって言っちゃダメなんだよ!」
もう治るし!ほら治った!
と、ぎゅっと寝癖を押し込むも、寝癖は無慈悲にビヨンと勢いよくはねた。
「うそぉ…」
烏丸「そのままでいいんじゃないか?」
「なんで!?恥ずかしいじゃん!」
無理無理、と言い張る彼女だが、俺からしてみればただただ可愛いとしか言いようがない。
これは言葉にしていいのだろうか?
ふと昨日の出水先輩が脳裏をよぎる。
…迷ってる場合じゃない、、か。
烏丸「可愛いよ。寝癖。」
「へ?」
予想外の言葉だったのか、アホっぽい声が彼女から出てきた。それも含めて可愛い。
「なにいってるわけ、とりまる!
寝癖だよ??、」
烏丸「分かってるよ。あ、もうこんな時間か。ほら行くぞ。遅刻する。」
自分で言ったけど、あとから恥ずかしさが来た。
それを隠そうと、あいつを急かした。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時