俺の好きな人は近界民だった。え、まじで？ (ページ37)

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転校生のあいつはスコーピオンの相手を1歩も動かすことなく蜂の巣にした。

通常弾の発動から発射までの所要時間が異常なほど早い。

しかも、トリオンを使い慣れていない入隊直後のC級の通常弾なんて大体、トリオンの出力が下手くそで当たっても痛くないか、逆に出しすぎて大爆発か、どっちかだ。

なのにこいつは綺麗に相手に当てた。

しかも威力は俺らがトリオン兵に向けるものだった。
個人ランク戦でもまじな時に出す威力でもあった。

…偶然か？

「ただいまかえりました、とりまる！」
烏丸「おかえり。」

勝てたことが嬉しかったのか、ニコニコの笑顔で帰ってきた。

反面、京介の顔は一瞬曇った。

…すぐに戻ったけど。

まぁ気のせいだろと思い、槍バカと2人で彼女を囲む。

出水「すげーじゃん！お前！！」

米屋「そーそー！弾バカより強えんじゃね？」

出水「それはない

さすがにＣ級に遅れはとらねーよ」

なんて言ってみるけど、実際に戦ってみたら分からない。

こいつは多分、俺よりも…

自然と目が下を向く。

「…ありがとう、ございます」

静かに囁くように彼女が発した言葉に、下がった目線をあげる。

そこには、ふわっとはにかんだ笑顔をうかべた彼女がいた。

やば、かお、あっつい…。

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対戦ブースからでて、共用スペースで談笑する。

主にAちゃんと米屋が。

俺はさっきのことがあってなんか気まずくて話せないし、京介もなぜか一言も話さない。

機嫌でも悪いのか、いつもより目付きが悪いように見える。

パチッと目が合った。

俺はすぐに目をそらそうとしたけど、京介はこっちをめちゃくちゃ見てくる…。

正確には、見てくるというよりも「睨んでくる」の方が当てはまるかもしれない。

京介から目線を秒で外し、考える。

え、京介の機嫌悪いのって俺が原因？？まじで？なんかやらかしたか？？？

ちらりともう一度京介の方を向くと、京介の視界に俺はいなかった。視線の先を追うと、そこにはAちゃんがいた。

京介、お前、

…まじ？？

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