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場所は変わってボーダー本部基地、個人ランク戦ブース。
彼女は当たり前と言ってはなんだが、こっちの機械にめっぽう弱い。
最悪壊す。
実際に玉狛支部の電子レンジは壊された(withヒュース)。
だから、機械を触らなくてはいけなくなった時、誰かがそばにいればその人にやり方を教えてもらうていで操作してもらう。
もちろん、きちんとやり方は見ておくこと。
これは彼女と玉狛支部との1番の()お約束だ。
「ねえ、とりまるこの人面白そう!」
烏丸「ん?スコーピオン3000ちょい…まぁ、大丈夫だろ。行ってこい」
「あいあい!」
なんのまねか、彼女は敬礼をして対戦室に入っていった。ちなみに彼女は出水先輩と同じ弾バカ族だ。
トリオンの量がすごいから。
出水「なぁ京介、あの子のポイント今いくつ?」
烏丸「今すか?確か…3129ですね。あと少しでこいつもB級っす。」
出水「入隊式、つい最近だったよな…?玉狛やべぇ〜。もう1人の玉狛のやつは初日でB級上がりだろ?」
米屋「あ、それ俺も秀次からきいた!手合わせして欲しいよな〜、1回!」
出水「おま、絶対1回じゃ終わんねーだろ笑」
そんなこんなを話している間に、彼女は相手の体を蜂の巣にしていた。
悔しそうにベイルアウトする相手と打って変わって、喜ぶどころかあっ、と声を漏らす彼女。
まるで、なにか失敗してしまったかのように。
「ただいまかえりました、とりまる!」
烏丸「おかえり。」
元気よくただいま、と言い、満点の笑顔で帰ってきた。けれど、俺からしたら違和感を感じる笑顔だった。
多分彼女はトリオンの制御の練習をしたいのだろう。
C級レベルで蜂の巣は滅多にない。
こっちの世界でならば。
出水「すげーじゃん!お前!!」
米屋「そーそー!弾バカより強いんじゃね?」
出水「それはない。
さすがにC級に遅れはとらねーよ」
いつのまにやら2人で彼女を取り囲み、ワイワイと騒ぐ。
「わ、えと…
、ありがとう、ございます。」
一瞬怯むが、向けられた感情が悪いものではないと気づいた彼女は、躊躇いながらもお礼を言う。
少しはにかみながら。
俺はそのはにかみが好きだったし、あまり人には見せたくなかった。
独り占め、したかった。
まあでも出水先輩と米屋先輩だしな。
そうタカをくくって2人に目を向ける。
俺はなにかの見間違いかと目を擦った。
あの出水先輩の顔が、真っ赤だった。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時