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手早く荷物をまとめて席を立つ。
「行こうか」と声をかけると、まだこわいのか、少し肩を揺らす。
烏丸「謝りに行くんだろ?ほら、行くぞ。」
「うー、、いく。」
ほら、と手を伸ばすと、自分の信念に反する恐怖を払い除け、俺の手を取る彼女。
その手はとても小さくて、少し力を入れたら折れてしまいそうな、そんなか弱さがあった。
「とりまる?いこ?」
ぼーっとしていたのか、声をかけられる。
烏丸「あぁ。
出水先輩のクラスは…4階か。
ここの廊下突き当たりの階段を登るぞ。」
「え、遠。」
烏丸「文句言うな。早くしないと先輩帰るぞ。」
「わー、だめ、早く行く。」
そうして彼女にとっての小走り、俺にとってのはやあるきで出水先輩のクラスへと向かった。
・
ドアを先に開けたのは秀次かと思いきや、昼間の転校生だった。
???
なんで?
後ろには京介が立っていて、よく見れば2人は手を繋いでいた。
なんだァ?
喧嘩売りに来たってか。
彼女は伏せた目を泳がせながら口をパクパクしていた。
誰かに用事か?
出水「あー、と、誰かに用事?」
目線を合わせるために膝をおったが、結局俺の
目線は京介に向かった。
けど京介は目を合わせてくるだけでなんにも言わなかった。こんにゃろう。
「い、いずみさんはいますか!!!」
「「!?」」
突然でかい声で話したから俺も米屋もびっくりして目を開く。あれ、もしかしてこの子、俺の顔覚えてなかったりする??
出水「えっと、出水って俺だけど…」
「ピャッ」
えぇー…
返事しただけで転校生は京介の後ろに隠れた。
俺は返事しただけだ!なんもしてない!だからそんな目で見るなよ槍バカ!!!
烏丸「ほら、言うんだろ?」
京介にそう言われ、おずおずと再度俺の前に出てくる。
言うって、何を…
「お昼、」
?昼?あぁ、あれか。
え、もしかしてなんか責任取れとかある?とりあえず昼飯奢るとかで勘弁…
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時