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まだこっちにビビってるのか、必要最低限で、か細い声で返事をする。
さっきから言っている「お母さん」ってのは、けが人だったのか。
米屋「どこにいる?おにーさんたちに教えてくれれば助けれるんだけど…。」
「ほん、とに?おかあさん、うごかないの、」
『助けられる』
その言葉にしがみつくように米屋に言葉を伝える。
その目からは涙がすでに溢れ出していた。
米屋「おう、もっちろん。なんつっても、俺らボーダーA級1位と3位だからな。」
三輪「ランクは関係ないだろう。早く場所を言え。」
再び三輪の質問にびくりと肩を震わせたが、今度は恐怖に打ち勝ったのか、口を開いた。
「あっちの、おうちのとこ」
と指をさして答えた方向は、俺が違和感を感じていたところだ。
ごくり
指先に力が入る。何か、太刀川さんの指示と関係あるのか?
米屋「大丈夫ですかー?ボーダーでーす!」
米屋が先陣をきってそう叫びながら進む。少女は米屋に続く三輪の後ろを歩いていた。
米屋「秀次、いたぞ!
こりゃ重症だな…。体の半分が瓦礫の下敷きになっちまってる」
その時、ピタッと何かがはまった。
俺が違和感を覚えていたのは、俺のうった弾と当たった弾の数違ったからだ。
この人に当たっちまったってことか…?
それで気絶しちまって瓦礫の下敷きに…?
いや、俺の過失じゃねえかもしれない。
弾道の引きはきちんとできてたはずだし、この辺には引かなかった…
1部を除いて…
それが、当たった…?
太刀川「出水!!」
太刀川さんに名前を呼ばれ、ハッと我に返ると、そこには知らない男が少女を抱っこして宙に浮いていた。
脇には、重症だという女の人も。
ていうかなんで浮いてんだよ!!??
びっくりしながらも、太刀川さんの指示で置いてあった、追尾弾をそいつに数発発射した。
が、全てかわされ、残りの追尾弾も撃ったが、例外なくはらわれた。
…なにもんだ?
出水「太刀川さん!」
「仕留められませんでした」「でも隙は作りました」
の意味を込めて叫んだ。
その時にはもう既に太刀川さんはそいつに斬りかかっていた。
例えトリオン体でも無理だろ、グラスホッパーつかってんのか?って高さまでジャンプしてて、太刀川さんのバケモン加減(トリオン体に限る)を再確認した。
太刀川「おろ?」
二本の孤月を振り下ろす直前、ターゲットのその3人は
消えた。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時