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落ち着いてきた頃、とりまるはポツポツと話し始めた。
出水公平さんは、ボーダー隊員で、とりまるの先輩だってこと。
トリオンの量がとにかくすごくて、面白い人だってこと。
ボーダーの中でいちばん強い「たちかわたい」に所属していること。
出水公平さんは、B組にいるボーダーの人に私の噂を聞き、その真贋を見極めるために来たこと。
それ故に舐めまわすように見てしまったこと。
私が去ってからはその出水公平さんがその場をおさめてくれたこと。
今から戻っても特に問題になるような騒ぎにはなっていないこと。
出水公平さんのこと、
なんであの人が私に声をかけたのか
その後の教室の様子
…などなど、今の状況を混乱気味の私でも理解できるように噛み砕いて説明してくれた。
おかげで少しずつ落ち着いてきて、私も話せるまでになった。
「勝手に走ってきちゃってごめんなさい。」
色々言いたいことはあったが、今回、いちばん迷惑を被ったとりまるに謝る。それでもとりまるはやっぱり怒らなくて。
烏丸「お前が無事ならなんでもいいよ。」
そう言って私の頭を撫でてくれる。その時のとりまるは、なんとも言えない、ふわふわした気持ちをしていた。
どういう気持ちなんだろうか、これは。
「ありがとう、とりまる。」
烏丸「いいよ。ほんとに。」
私を撫でるのをやめると、ふわふわはなくなった。
なんだったんだろう。
とりまるはたまに自分の感情を隠す。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時