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出水side
出水「たでーまー」
米屋「おー。て、ありゃ?例の転入生は?」
京介があの子を追いかけて行ったあと、なんとかその場をおさめてからA組を後にした。そのまま、転入生と一緒に来るはずだった、いつも飯を食ってる場所へと向かった。そこで待っていた米屋に声をかける。
出水「んー、なんか逃げられた。」
米屋「はぁ?お前の誘い方が悪かったんじゃねえの笑?」
出水「んな事ねぇし!」
いやでも、俺、そんななんか変なこと言ったか?
ただ、飯を誘っただけなんだけど…後ろから急に話しかけたのが悪かったか?それとも…
出水「なんか訳アリっぽかったし?逃げたのも、怯えてた感じっつーの?教室内でも結構浮いてたっぽいし。」
米屋「お前に怯えてたんじゃん?転入してきて1日目で上級生から声をかけられるなんて恐怖だろ。教室内で浮いてるのも、転入初日ならそんなもんっしょ。」
こんの槍バカ、ああ言えばこう言う…!
そんなんならお前が誘えっつーの。
そもそも、こいつが俺に誘ってこいって言うから、ジャンケンして、俺が負けて…。
あれ?これ、ジャンケンに負けた俺が悪い?
米屋「逃げられた出水公平くん、見た感じはどうだったよ、期待のボーダー隊員は」
出水「んー、特になんともない女子って感じだった。普通にその辺に居そうな女子高生。」
米屋「ふーん。じゃ、やっぱトリオンの使い方とかが上手いとか、量が多いとかそういうの?」
槍バカにしては冷静な判断。確かにそういうのもあるかもしれない。でも、
出水「俺、転入生の後ろから声をかけたんだけど、」
米屋「え!それこそ恐怖じゃん!」
出水「うっせぇ!黙って聞いてろ!!
…あの転校生、俺が声をかける前に後ろ振り向いてた。なんか気配察知系のSE持ちか、ただの偶然か…。」
米屋「ほぉー、SE持ちか。いいじゃん?」
SE、という単語に食いつく米屋。
こういうことにだけは目の色が変わるんだよな。戦うことしか頭にねーのかよ、こいつは。
うちの太刀川さんもだけど。
…まあ、気配感知なんてSEはSEのランクにしてみたって最低で見積もってもAランクだからな。AランクのSE持ちなんてそうそう居ない。食いつくのもわからんでもない。
そこまで考えて、もう一度転入生とのやり取りを1から思い出す。
ああ、そういえば、
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時