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時間は流れ、待ちに待ったお昼休み。
レイジさんからもらったお弁当を机の上に出し、とりまるが来るのを待つ。
教室の後ろの方がざわめき、私の方にチクチクしたものが飛んでくる。
とりまるが来た、と思い、後ろを振り向く。
とりま、
「っっー?!」
?「君が京介と仲良いっていう転入生?」
…だれ?
とりまるの知り合い?きょうすけ、ってたしかとりまるの名前だよね?
出水「俺、京介の先輩、出水公平。よろしく。
…あれー?聞こえてる?」
「あ、の、」
出水「あ、良かった。
ね、君さ、ボーダーはいったらしいじゃん?ちょーっと気になることがあってさ。良かったら昼飯、一緒に食わねえ?」
にこって笑うけど、この人は本当はそんなに笑ってなくて、舐めるようにこっちを観察してきてる。
何かを言わなくちゃ、でも、何を言えばいいの?
なんでもいいから言葉をはっそうと、口を開けるけど、息を吐くばかりで、口をパクパクしてるだけになってしまう。
出水「えーと、大丈夫?」
烏丸「出水先輩?」
出水「あ、京介」
過呼吸になる直前、とりまるが割って入ってくれた。「大丈夫か?」とこちらに心配の目を向ける。
けれど、何も言えなくて、何か言いたくて、でも何を言えば「正解」なのか分からなくて、
私は何も持たずに走り出した。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時