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残念ながら私の記憶力はいいとはお世辞にも言いにくく、1回、2回あっただけで私に覚えて貰えるなんて思わないで欲しいってくらい人の顔と名前が覚えられない。
それぞれを覚えたとしても、今度は顔と名前が一致しない。
顔は見た事ある、
名前は聞いた事ある、
とかだと特になんだけど、
「覚えて欲しいんだったら、顔と名前セットで持ってきて。」
ってよく思う。
でも、これはよく覚えてる。
「すごい、戦いたいって気持ちが強い人」
烏丸「戦いたいって気持ち?」
「うん。「強い人と戦いたい」「スリルを楽しみたい」っていう気持ちをびしびし〜ってぶつけて来る人。」
烏丸「…その人、黒い服きてて、髭生やしてた?」
「うー…ん、たぶん???」
そういう所まで抜かりなくあやふやな記憶ができるのが私である。
しかし、とりまるはそんなあやふやな答えから該当の人物を割り出した。さすがです。
烏丸「それは多分太刀川さんだな。
太刀川慶って言う個人ランクと攻撃手ランクで1位の人。」
「んじゃ、その人とは戦いたくないかな。」
烏丸「?なんで?」
「だって、怖いもん。「倒す」ってことだけを考えてる、そんな人相手にしたら、私はその人をどれだけ傷つけちゃうかわかんない。」
その人を相手にしたら、「殺られる前にやらなくては」そう思って殺してしまうかもしれない。だから、
烏丸「そ。お前がそういう考えなら、それでいいと思うよ。」
「ありがとう、」
烏丸「ほら、学校着いたぞ。まずは職員室だったか?」
「あ、うん。教科書とか受け取りに来いって言われてた。」
烏丸「案内する。」
そう言って玄関に向かう背中を追いかける。
玄界には靴を脱ぐという習慣があるらしい。
未だに理解できないけど、郷に入っては郷に従え、ということで靴を脱ぎ、指定の場所、靴箱に入れ、持参した靴、上履きに履き替える。
従いはするが、これの意味がわからない。なぜはきかえる?非合理的なのでは…?
烏丸「おい、いくぞ。職員室。」
「わ、まってまって!」
上履きの真ん中のゴムの部分がくるくるねじれてしまい、それを戻すのに苦戦していると、手馴れたようにさっさと上履きを履いたとりまるに急かされる。何とか履き終えてかけあしに職員室へ向かう。
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時