( 続 ) 温 度 差 ℃ ___ Reo . S

94℃ ページ44

.






とある休日に、私は新居に引っ越した。


前から住んでるところと距離はそんなに変わらない

でも新しい家、ってだけでなんだかドキドキするから楽しいの



引っ越しってめんどくさいけど
断捨離出来るから、たまーには良いもんだね。


失くしてたもの見つかったりとかね





そんな新居のベッドの上に寝転んで

私はコンビニで買って来た雑誌を読んでいた






「 GENERATIONSのインタビューページ、っと … 」





ちゃんと彼らの事を チェックしちゃうあたりね。

真っ先に玲於くんのインタビューを読みたいのを我慢して、最年長のメンディーさんから順番に読んでいく。


新曲の事とか、自分の恋愛観とかについて語ってるみなさん


玲於くんはどんな事を答えてるんだろう






「 … ふふ、玲於くんらしいな。」





質問への回答が、なんとなくだけど彼っぽくて

でも こんな事考えてたんだ … なんて
改めて思ったりもする


お誕生日におめでとうと言ってもらえることが幸せ、とか。

手の冷たい人が好き、とか




自惚れかもしれないけど

全部私の事としか思えなくて、にやけちゃう




特に最後のやつなんて

本当にそうで





玲於くんの手はいつだって暖かくて
ヒンヤリした私の心までも溶かしてくれた

温度差があるって、自分と相手のすれ違った部分なんだと思ってた


私はこんなに好きなのに

向こうは全然そんな事なくてショック、とか




マイナスのイメージしかなかった言葉だけど


考え方によっては そんな素敵な意味もあるんだ







「 相手を理解する、かぁ … 」






玲於くんと離れてから

彼の考え方や 言葉の１つ１つが心に届いて沁みてく気がするの


自分と違う考え方、熱量の違い

それを悪いものと思わずに


この人はこういう事を考えているんだな

こんな状況に居るんだな、って考えたら相手を理解できる







玲於くんは

私と違っていつも手があったかくて

ドキドキするような事も平気で言っちゃうし

かっこいいし、可愛いし、モテるし。




全然私とは似てないくせに、好きな食べ物はおんなじだったり。

違うからこそ、たまにリンクするのが嬉しいの







「 ばか … 」





なんでこんなに

私ばっかり好きなんだろう

玲於くんと こんな風に私を思ってヤキモキしてくれてたらいいのに

早く会いたくてもどかしいよ








.

95℃→←93℃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す