6 宏光side ページ15
20時を回った。
せっかくの華金なのに、俺はまだ仕事中。
「こちらでもう一度見積り出しますね。
次の打合せなんですが、
来週の予定を教えていただけますか？」
取引先の人が俺を指名して紹介してくれた案件で、
いつも以上に丁寧に打合せを重ねている。
「では今度の木曜日に。
また前日に確認のお電話をいたします」
会社に戻ってサンプル依頼や見積書の確認をしてパソコンを閉じると、あっという間に22時過ぎ。
金曜日というだけあってフロアには数人しか残っていない。
玉森とAの飲みに行く気満々だったのに
この時間じゃ確実に肉は食えないな。
Aと二人で飲みに行こうとしても
なんだかんだ理由をつけて断ってくる。
今日は玉森と横尾くんとの恒例の飲み会らしい。
.
.
「とりあえず生ね！」
後からあいつらを呼ぶつもりで、
雰囲気のいい、でも気さくなおっちゃんのとこに来た。
「今日はあの彼女いないの？」
「だからー彼女じゃないんだってば」
一回だけ連れてきた麗奈の印象がよっぽど強かったらしく、
半年経ってもまだそう聞かれる。
「もしもーし！お疲れ！
俺今駅の割と近くで飲んでるんだけどさ、
お前らも今から来い。
うん、あ、横尾くんも連れて来いよー」
一方的に話をして、玉森のアドレスに店の名前と地図を送る。
横尾くんも連れて来い、って言っとかないと
横尾くんはAを連れて二人で帰る、たぶん。
初めて会った時、横尾くんは俺みたいなタイプが苦手なんだとすぐにわかった。
あと、Aのことが大切なんだろうな、とも。
友情の一言で片付けられないような優しい瞳で
Aを見る横尾くん。
まぁ、あくまでも俺の勘だけど。
.
酔った横尾くんから変に絡まれていると、胸ポケットが震えた。
「ごめんね、こんな時間に」
「いやいいけど。どうした？」
麗奈が泣いてること、すぐにわかった。
「子供がね、できたんだって。
終わりにしたいって。
私、、、どうしたらいいのかなぁ？」
泣きながら話す麗奈の言葉は半分以上聞き取れなかった。
来たばかりの三人に謝って、外に出てタクシーを捕まえる。
どうしてもほっとけなかった。
恋愛感情なんてなくても、
泣いてるあいつを、
俺は一人にできない。
.
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usaneko(プロフ) - コメント失礼します！とても面白く読んでてとても楽しいです無理なされないようお気をつけ下さい(>_<;)お話楽しみにしております(´ω｀) (2017年8月8日 1時) (
レス) id: 9081f3652d (このIDを非表示/違反報告)
ゆえ(プロフ) - 歩美さん» コメントありがとうございます！これからまた頑張りますのでよろしくお願いします(>_<) (2016年7月16日 12時) (レス) id: a3dfe6870d (このIDを非表示/違反報告)
歩美(プロフ) - おはようございます。多分初コメです！こちらの作品最近おやすみされてるみたいだったので、更新お待ちしてまぁす！と思い、コメ致しました。マイペース更新で大丈夫なので、続き楽しみに待ってまぁーす♪ (2016年6月28日 8時) (レス) id: dbfdaf4be9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆえ(プロフ) - カエルさん» ありがとございます！少しずつでも更新できるように頑張っていきます！これからも応援していただけると嬉しいです！ (2016年4月20日 21時) (レス) id: a3dfe6870d (このIDを非表示/違反報告)
カエル(プロフ) - 無理せずに頑張ってください！地震が起きてる中で、あんな風に思ってくれる、なんて言えばいいのかわかりませんが、嬉しいとゆえさんと同じ九州地方住みの人が見たら嬉しいと思います。応援してます。 (2016年4月19日 15時) (レス) id: 7e66d37683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆえ | 作成日時：2016年3月5日 18時
