【合作】刀剣乱舞◆幼女審神者と初期刀が参る◆【ブラック本丸】 (ページ44)

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もう二度と【黒狐】ページ44

主様をそっと見つめる。
涙を拭き取り、私は微笑んだ。

「....この場所に、主様の御父様はおりません。ここにいる限り、何か言われることも、されることもありません。」

だから、ご安心ください。
そう、伝えた。

「もし何かありましたらこの私が、誠心誠意、主様をお守り致します。」

立ち上がり膝をつく。
すると主様が私の頬に手を触れ、

「....あり、がとう。くろぎ、つね...」

未だ止まらぬ涙を必死に拭い、途切れ途切れに、ゆっくりとそう言った。

......主様はずっと、その約束を守って生きてきた。
そう考えるだけで、父親への怒りが増幅していく。

こんなにも心が美しく、お優しい方だというのに。主様を''約束''という言葉で縛り、従順なことを良いことに暴力まで....。

本気で、許せなかった。
今すぐ現代に飛んで斬りたいと思う程に。
そしてもう、二度と、笑顔を失うことがないように。自分が、守らねば。

「.....くろぎつねがいるから、もう、だいじょうぶだね...」

私がずっと無言でいると、主様が私に、まるで安心させるかのように、本当の笑顔を見せてくださった。

「...はい。主様は私がお守り致します。何があろうとも。」

主様はまた私の腕の中に入り、そのまま疲れ果てたように眠ってしまった。

......私とは比べ物にならぬほど、此方は苦しんでおられたのだ。
主様の初期刀として、私も、過去に囚われている訳にはいかない。

そう、強く思った。