昔【黒狐】 ページ42
気持ちの良い朝が来た。
しかし、気分は晴れない。
「...黒狐！主は？」
「力の使いすぎで、少し疲れてしまったようです。皆様は部屋へとお戻りください。それが、主様のためでございます。」
離れへと押しかけてきた加州らを無理やり部屋へと戻す。
不服そうにしていたが、''主様のため''。その言葉に反応し素直に従ってくれた。
「......おとうさん...」
中から、主様の弱々しい声が聞こえる。
ゆっくりと扉を開くと、布団にくるまり、部屋の端へと座り込む主様の姿が。
「主様」
主様の名を呼ぶと、ゆっくりとこちらを向いた。
何か迷っているかのような目をしていて、私は思わず
「主様、何を抱えているのですか？」
そう、聞いてしまった。
主様に仕えるものとして、深く探りをいれるなど言語道断である。
しかし私はそれでも、此方を救いたかった。
自分を犠牲にしてでも。
なんとしてでも。
「...くろぎつね...たす、けて...こわい...わかんない...」
したを向き、そう、小さくつぶやいた。
主様からのSOS。
応えないわけにはいかない。
「よろしければ、お話を聞いても良いでしょうか？」
そっと抱きしめる。
主様は小さく頷き、一旦私から離れた。
「....おとうさんと、約束したの」
主様が、重たい口をゆっくりと開く。
それは、私の予想していた以上に、酷いものだった____。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無月のぞみ - 何で名前変えられないの？ (5月19日 9時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
雪菜★(プロフ) - 弥勒さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年12月13日 16時) (レス) id: 9874607bfc (このIDを非表示/違反報告)
弥勒 - 小さな主さんの今後の活躍が楽しみです！ (2017年12月13日 11時) (レス) id: 24182f5998 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜★(プロフ) - おわりーまーす！ (2017年12月11日 19時) (レス) id: 9874607bfc (このIDを非表示/違反報告)
雪菜★(プロフ) - もう1回更新します！ (2017年12月11日 19時) (レス) id: 9874607bfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
