私の生きる理由をくれた ページ12
「あのな、この世に生まれちゃいけねぇやつなんて最初から生まれねぇんだよ、つかいねぇかし。手前が生まれてきたってことは、十分誇りに思っていいことなんだぜ?」
『で、でも...』
「それにな、手前が思ってるほど手前はそんなひどいやつじゃねぇぞ。少なくとも手前は、俺を庇ったんだ。一人の人間を助けたんだ。本当に望まれないやつならそんなことしないぜ?」
『だからってそれが完全に善人とは限らない...居場所ない私だから居場所がほしくってきっかけを作ったのかもしれないんだよ...』
「それのどこが悪い。居場所がないなら居場所が欲しいっていえばいいだろ。必要として欲しい、望まれる存在になりたい。人間そんなもんだ。」
『でもそれは...迷惑かけるだけ...』
「おいおい、誰が迷惑かけるって?迷惑かけてるかどうか判断すんのは手前じゃねぇ、俺が判断する。」
『...だとしても...』
「あ"ー!めんどくせぇやつだな!だから手前自分責めすぎなんだよ!わかった。手前が言わねぇなら俺がいう。いいか、必要とされないなら俺が手前を必要とする!居場所がないなら俺が居場所を作ってやる!!それで借りはチャラだ!わかったか!」
私がうだうだしているのを見て彼はそう言ってくれた。
今まで必要とされなかった私に...
居場所を作っちゃいけなかった私に...
彼は私が生きる理由をくれた。
私の光になってくれた。
私に居場所くれた。
そう思うとなぜだからほっとしたように
目から涙がでて止まらなかった。
嬉しくて。
暖かい気持ちだった。
「な、泣くほどかよ...たく...」
そう言ってまたAを軽く撫でた。
その手はとても暖かくて、安心できた。
『...うぅ...ぅあ...』
「今は泣いとけ、ずっと泣かないで溜めてたんだろうからよ』
彼は優しくそう言ってくれた。
あぁ、人ってこんなに暖かいんだ...
始めてそう思った瞬間であった。
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くるみ - とても面白いので、できたら名前設定を好きな名前に変えられるようにしてください。……おねがいします。 (2018年6月23日 12時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:双葉 夢希 | 作成日時:2018年4月25日 8時