【REBORN】雪の灯火part5 (ページ28)

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185話ページ28

「もしかして、すんげー高級な指輪だとか？」

「確かに値のつけられない代物だが、それだけじゃねーぞ」

バジルくんの傍で静かに耳を傾ける

「長いボンゴレの歴史上、この指輪のためにどれだけの血が流れたかわかんねーっていういわくつきの代物だ」

「ひいい何それー！！まじかよ！！」

マフィアというのは争いの中に存在する組織
長い年月の中でその歴史には、赤く、そして黒い過去が塗り重ねられているのだ

「ロン毛の人もってってくれてよかったーっ」

「それがなあ…ツナ…」

綱吉くんが心の底からほっとしたように安堵した

しかしそんな綱吉くんを地獄に叩き落とすような一言を
満面の笑みを浮かべたディーノお兄さまが言い放った

「ここにあるんだ」

「え゛え゛ー！！？」

「！！」

『！？』

ディーノお兄さまが取り出したのは、奪われたはずのボンゴレリングだった

私も思わず目を見開く

(あれは確かにスクさんが持って行ってしまったのに)

「な…なんでー！！？だってリングは奪われたはずじゃ…」

綱吉くんが私の気持ちを代弁するかのように声を上げる

「こっちが本物だ」

慌てる私たちを他所にディーノお兄さまはケロッと言い放った

とっさに口を挟んでしまう

『では、先程のリングは偽物…ですか？』

「ああ。今日はこのために来たんだ。ある人物から、これをツナに渡すように頼まれてな」

ディーノお兄さまは私の言葉に頷くと、本物のボンゴレリングを綱吉くんに差し出した

綱吉くんはそれに顔を青ざめて叫んだ

「えー！？またオレに！？なんでオレなのー！！？そんな恐ろしいリング〜！！」

「そりゃーおまえがボンゴレの…」

「ス…ストップ！！」

ディーノお兄さまに皆まで言わせないという風に綱吉くんが言葉を遮った

「家に帰って補習の勉強しなきゃ！！ガンバロ！！」

「な…」

「じゃ、ディーノさんまた！！Aさんも！リボーン、先行ってるぞ」

「おいツナ…？」

ディーノお兄さまの静止も聞かず、綱吉くんは病室を飛び出して行ってしまった

「あいつ、逃げられると思ってんのか…？」

『…綱吉くんは、普通の中学生で居たいのですね』

それは、もう無理だと言わなければならない側にいることが心苦しい

綱吉くんの去った方ではなく、眠るバジルくんの顔を見つめていたおじさまが静かに口を開いた