183話 ページ26
「手を放せ！」
ディーノお兄さまは素早く鞭をしならせ綱吉くんを助けようとする
それを読んでいたかのようにスクさんは火薬を使い、大きな爆発を起こし、煙で目眩しをした
「やろう！」
「ゴホ！」
「ガハッ」
「んっ！」
状況がわからなかったが直ぐに近くから咳き込む声が聞こえてきた
「お前達！大丈夫か？」
「ゴホッ」
「ガハッ」
なんとか無事な様子を確認できたのも束の間
「貴様に免じてこいつらの命はあずけといてやる」
彼らから距離を取った場所、私の近くで声が聞こえた
「だが、こいつはいただいていくぜぇゔお゛ぉ゛い」
「な」
『っそんな…』
「ああっボンゴレリングが…」
「！！ボンゴレリング…？」
その手には先ほど綱吉くんの手に渡ったと思われたボンゴレリングが入った箱が握られていた
「…じゃあなぁ」
『…！』
「ま、まてっ」
去り際、ほんの一瞬だけスクさんと目があった気がしたが、そのまま大きく飛躍し行ってしまった
打ちつけた箇所を押さえながら、綱吉くんたちの元へゆっくりと向かう
(なぜ…私を連れて行こうとしなかったのでしょう…)
先ほどの戦闘の最中にはそんなことを言っていたのに
大きなダメージを負った今の私なら、というかスクさんなら簡単に私1人ぐらい連れ去るのなんてわけないだろう
(それに、最後の目…)
視線が交わった時のあの瞳、あれは一体なんだったのだろうか
頭を捻っていれば遠くでパトカーのサイレンが
「ボス…サツだぜ」
「ああ」
バジルくんを支えたディーノお兄さまが綱吉くんと私に顔を向けた
「ツナ、その話は後だ。廃業になった病院を手配した、行くぞ。Aもついて来てくれ」
『は、はい』
「ま、待ってください！！獄寺君と山本が…！！」
「あいつらなら心配ねーぞ」
お二人のことを心配する綱吉くんにリボーンおじさまは声をかける
するとらその言葉通り向こうからこちらに駆け寄って来るお二人の姿が見えた
「大丈夫かツナ！Aさん！」
「いったい何なんすか？奴は？」
「二人とも！！」
『ご無事でよかったです…！』
怪我を負ってはいるものの、元気そうな姿に安堵する
しかし、おじさまから発せられたのは厳しい言葉だった
「お前らの戦闘レベルじゃ足手まといになるだけだ。とっとと帰っていいぞ」
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作者名：海波 | 作成日時：2020年10月20日 2時
