【REBORN】雪の灯火part5 (ページ19)

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177話ページ19

『はっ…！！…はあ、はあ、っ』

朝日がカーテンの隙間からゆらゆらと部屋を照らす

飛び起きた私の体を汗がつたっていた

額に浮かぶ汗を拭う

まだ手が震えている

マレ・ディアボラの事件のこと、そしてずっと聞けないままでいたヴァリアーの過去のこと

あまりにも、あまりにも痛烈な話だったため心が痛い

更には

(今まで、良くしてくださっていたヴァリアーの皆さんにそんなことがあったなんて…)

ぎゅっと自分の腕を抱える

私が知っている皆さんももちろん真実だ

しかし

(過去もまた、真実)

それは変えることのできないものなのだ

『私は…一体、なにを信じたら…』

静寂の中うずくまる私

それを切り裂いたのはけたたましい電話のベルの音だった

ハッと顔を上げ急いでベッドから降りる

少し息を吐いてから受話器を取った

『…もしもし』

「あっもしもし！山本です！Aさん、今大丈夫っすか？」

『はい、大丈夫ですよ』

受話器の向こうの元気な声にほっと息をつく

「俺らこれから並盛商店街で遊ぶんすけど、Aさんも一緒に遊びません？」

『ぜひ、ご一緒させてください』

「やった！んじゃあ、また後で！」

『はい』

電話を切り、深く息を吐く

きちんと応対できていただろうか

沈んだ様子を見せてしまえば、きっと彼らを心配させてしまう

それでは迷惑をかけてしまう

ドレッサー越しの自分と目があう

いかにも不安そうな顔をしている

パンと頬を叩き喝を入れる

『大丈夫、私自身で信じることは決まるんです。そして…真実も受け止めるんです』

外に行くためにお風呂場へ向かう

まずはこの気持ちごとかいた汗を流してしまおう

～＊～＊～

(side 山本)

Aさんとの電話を切り、隣にいる親友に笑顔を向ける

「ツナ！Aさん、来れるってよ」

「ほんと？よかった～」

「んーけどなあ」

俺がAさんとの電話で感じた違和感に首をひねれば獄寺も話に入って来た

「けど何なんだよ」

「んー？なんかさあ、Aさん、元気ないっつーかなーんかいつもと感じ違ったんだよなあ」

「ええ！？どこか悪かったりするのかな！？また腕の傷の痛みがぶり返したりとか…」

「あーいや、そんな感じじゃなくってさ！ただ＿」

屋上から飛び降りようとした時の俺みたいな

なんか、不安定な感じがしたんだ