131話 ページ12
不安が募る中でさらに私の心拍を早めることが起きた
ガタッというわずかな物音に反応する
「ああ、千種ですか？」
六道くんの言葉にハッと顔をあげる
するとボロボロになった柿本くんが室内に倒れ込んできた
「おや、当たりが出ましたね」
(当たり…まさか！)
彼らが探しているのは、ボンゴレ10代目候補である綱吉くん
彼を見つけたというのか
「千種きましたー？あら！」
別室から城島くんがやってくる
「っひゃーだっせー！血まみれ黒コゲじゃん。レアだよレア…」
彼の涎を拭うような仕草にサッと顔が青ざめる
「っひゃ、血ぃうっまそ！」
『っ！』
「噛むな犬！」
今にも噛みつこうとした城島くんの動きが六道くんの声でピタリと止まる
「気を失っているだけです。ボンゴレについて何もつかまず、千種が手ぶらで帰ってくるはずがない」
(やはり、綱吉くんを見つけたに違いないようですね…)
それにしても柿本くんの様子はあまりにもボロボロだ
まるで誰かと戦ったかのような
彼を簡易なベッドへ寝かせようと城島くんが担いだその時
フワリと風に乗って香ったのはよく知っている爆薬の匂いだった
(！この匂いは、隼人くんの…！)
共に戦ったことのあるのだ
間違うはずがない
心臓がドクドクと不安で速く脈打つ
彼の様子だと隼人くんと相当激しい戦闘をしたのだろう
相討ちにでもなってしまっていたら、隼人くんも相当ひどい怪我を負ってしまったのかもしれない
彼は十分強いというのは分かってはいるが、最悪の事態が頭の中でチラつく
「おやおや、お仲間が心配ですか？」
私の顔に浮かぶ不安な色に気づいたのか六道くんが口角を上げる
「千種をあそこまでやるとはボンゴレもなかなかやるようですが、無事ではすんでいないでしょうねえ」
『…どういうことですか』
含み笑いのように意味深に笑う彼に思わず言葉を返す
「クフフフ、おもしろいので教えてあげましょう。千種の武器であるヨーヨーには実に強力な毒針がしこんでありましてね。一擦りでもすれば命の保証はないんですよ」
『っ、私は彼らを信じています！』
「口ではどうとでも言えますよね？ほら、手が震えていますよ」
グッと手を強く握る
彼のいう通り粋がっているだけなのだ
それでも私は、
(みなさんを、信じています)
届かない願いを胸に
自分に負けないように気を強く保とうとするのだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海波(プロフ) - ゆうきりんりんさん» お返事遅くなり申し訳ありません！はじめまして！そしてありがとうございます！拙い文章とお話ですが、読んで頂けて本当に嬉しいです。今書いている黒曜にはベル出て来ませんが、またお話を進めてかっこいいベルをたくさん書けるように精進いたします(*^^*) (2020年10月10日 23時) (
レス) id: cec24bdf19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきりんりん - はじめまして！リボーンに再燃してベルが大好きなのでここの小説を見つけてからとても楽しみに読ませてもらってます^_^お忙しいかと思いますが、お体に気をつけながら頑張ってください。他のキャラはもちろん、ここのベルがかっこよすぎて一気読みしちゃいました(^^) (2020年9月8日 19時) (レス) id: 2de915a631 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - これからもずっと応援しています！！何回も書きますがこれからも頑張って下さい！ (2020年7月21日 17時) (レス) id: 5fecd92571 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 更新お疲れ様です！！投稿をするのが遅くてごめんなさい。最近体調はいかがですか？私は、この小説を読んでずっと元気をもらっています！！ここからしか書けなくてすみません。でも私はこの小説をずっと応援しています！！これからも体に気をつけて頑張って下さい！！ (2020年7月21日 17時) (レス) id: 5fecd92571 (このIDを非表示/違反報告)
海波(プロフ) - かなりさん» かなりさんも体調お気をつけてくださいね！コメント頂きありがとうございます！ (2020年7月14日 0時) (レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海波 | 作成日時：2020年5月22日 12時
