【REBORN】雪の灯火part2 (ページ5)

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44話ページ5

ベルの部屋にやってくるのは今回で2度目

私が寝てしまった時と今だけ

引きずられるようにして部屋に招かれ、椅子に座らされた

目の前でベルが机に頬杖をついてこちらを見ている

1人視線を泳がせているとベルが沈黙を破った

「A、なんで連れてこられたか解る？」

『…ごめんなさい、解らないです』

ベルの問いに答えられず、顔を俯ける

ベルが立ち上がり私の前にしゃがむ

「お前が王子のこと頼ろうとしなかったから」

『ベルに、頼る？』

答えの意図がよくわからず首をかしげる

なぜベルに頼るのだろうか

これは私の問題なのに

「俺はAの彼氏で、Aが甘えられて頼れるやつになりたいの。だから、不安だと思ってたら真っ先に俺の胸に飛び込んできて欲しかった」

『と、飛び！？』

「まあそんなことAにできないの知ってるから、少しずつでいい。少しずつでいいから俺のこと頼って？」

『っ！』

ベルが私に言い聞かせるように手を握り、真っ直ぐと私の目を見る

ベルの真剣な表情に息を呑みつつ、首を縦にふる

今まで甘えられる人がそばに居なかったため、頼り方がよくわからないというのが本音だ

ルッス姐さんに前言われた、私が今どうしたいのかを口に出すことにした

『あの、ベル…？』

「ん？」

ベルの優しい声色に自然と強張っていた体の力が抜けていく

『ぎゅって…してください』

「ん、いいよ」

ベルが立ち上がり私の体をふわりと包み込む

とても安心するシトラス系の香り

おずおずとベルの背に手をまわすと頭上からくすくすと笑い声が聞こえ、先ほどよりも少し強めに抱きしめられる

「んーこの体勢きちぃな」

『わっ！』

ベルに横抱きにされそのまま抱きかかえられるような形でソファに座る

正確にはベルがソファに座り私が今その上に抱きかかえられているのだが

身動ぎするも少しも動けない

抵抗することを早々に諦め、ベルに身を預けることにした

そのまま寝てしまったのはまた別のお話