【REBORN】雪の灯火part2 (ページ21)

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58話ページ21

(side クリスタ)

私は、小さな町の小さな教会で修道女として暮らしておりました

神に仕え、人々を愛する
そんな平凡な日々が好きなただの修道女

雪の力を持ってはいなかったのです

異変が訪れたのは雪が降る冬の日

いつものように神に祈りを捧げていたときのことです

「天にまします我らの父よ＿…っ！！」

目を閉じていたにも関わらず、突然室内を満たした眩しい輝きに目が眩みました

その直後
唐突に襲ってきた激しい頭痛に耐え切れず私はそこで意識を手放しました

そして私は深い眠りの中で確かに何かの声を聞いたのです

【次の器として使わせてもらうぞ小娘】

(うつ、わ？)

目が覚めてもその声は私の中で木霊し続けました

それからです

何をしても、何を感じても、何を言っても、全てを記憶し続けるようになったのです

私はその声が何かの原因であると考えたのですが、その正体が何かはわかりませんでした

あの方と出会うまでは

不思議な出来事から5年

1人の女性が私の元にやってきました

紺色の髪に白い大きな帽子
目の下には特徴的な花の痣

その女性は私の手を取りこう言いました

「ああ、やっと、やっと会えましたね」

微笑む女性を見て私の目からは自然と涙が零れ落ちました

その女性はセピラ様という名の愛らしい女性でした

彼女は私の中にある何かについて教えてくださったのです

「貴女の中に入り込んだのは、世界を支える石の1つです」

「石…？石というのはあの固い岩石、でございますか？」

まさか私の中にそんなものがあるとは遥かに信じられませんでしたが、彼女の目が真実を語っているのは明らかでした

「私たちはその石にエネルギーである炎を灯し続け、力を機能させていく使命を持っておりました」

「持っていた、というのはどういうことでしょうか…？」

セピラ様は眉根を悲しそうによせ、青い瞳を少しだけ潤ませました

「私たちの仲間が次々にこの世を去り、少ない人数では石を機能させていくことが困難になってしまったのです」

「あっ、申し訳ございません！そんな悲しいことを…」

「いいえ、話さなければいけないことでしたから」

私を安心させるかのように少しだけ微笑むと、彼女はまた口を開きました

「そして酷な選択でしたが、石を分割し"おしゃぶり"を作り人々の力を借り炎を灯し続ける…所謂、人柱を造ることになりました…その時に事件が起きました」

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続きます