【REBORN】雪の灯火part2 (ページ2)

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41話ページ2

(sideA)

ヴァリアー城滞在初日から1週間が過ぎた

今日はベルとマーモンさんが任務でいない

ヴァリアー城内の書庫の本も一通り読んでしまった

今日は何をしようかと談話室で思案していると、スクさんがやってきた

「ゔぉおい！！A！！何してやがる！！！！」

『え、えっと…今何をしようかと考えているところ、です』

スクさんにはダラダラ過ごすなよと最初に言われていたのだ

怒られてしまうだろうかと身を縮こませてしまう

しかし一向に怒られることはない

ちらりと彼を見やると、自身の剣を見つめ何か考えている様子だった

「A」

『はい！』

「てめぇ、剣はやったことあるか？」

『剣、ですか？』

突然名前を呼ばれたかと思ったら剣をやったことをあるかと聞かれた

質問の意図が見えないが、スクさんに否定の意図を込めて首を横に振る

『剣はやったことがないですね。薙刀ならあるのですが』

「そうかあ」

何かを思いついたのかスクさんは歯を見せて笑った

「ゔぉおい！てめえに俺が直々に剣の稽古をつけてやる！！どうせやることがねえなら俺に付き合えぇえ！！」

驚きのあまり目を見開く

スクさんが私にわざわざ剣を教えてくださるというのが意外すぎる

こんな機会滅多にないと慌てて首を縦にふる

『はい！よろしくお願いいたします！』

スクさんは私の答えに満足そうに笑うと剣の切先を私に向ける

「そうと決まればさっさと動きやすい服に着替えろ！！そんなヒラヒラした服じゃ動くに動けねえぞぉお！」

中庭で待っていると言い残し、スクさんは足早に談話室を去っていった

～・～・～

スクさんに言われた通り、動きやすい白のシャツと黒の短パン、黒のショートブーツに着替え髪を束ねた

中庭に行くと、スクさんは自身の剣ともう一つ、少し細みの剣を携えて待っていた

『お待たせ致しました！』

「ゔぉおい！さっさとやるぞおぉお！」

『は、はい！』

スクさんは持っていた細身の剣を私に投げてよこした

(これは、レイピア…？)

「てめえにはこれぐらい軽い剣で十分だあ」

剣の扱いやすさを考えてくださったのか、私の手にもしっくりと馴染んだ

「いいかあA！一度しか教えねえし、言わねえからよく見ろ！！そしてよく感じろ！お前なら出来るはずだあ！！」

『はい！ご指導よろしくお願い致します！』

それからスクさんとの稽古は夕飯時まで続いた