【REBORN】雪の灯火part2 (ページ16)

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53話ページ16

『わあ！近くで見ると、なんて綺麗な…！！』

ベルと共にボンゴレ城の領内にあるちょっとした木々が生い茂る庭を訪れた

真っ白でふかふかとした雪はどこまでも広がっていて、銀世界の中に閉じ込められたようだ

「A」

『はい？っうわあ！』

ベルに呼ばれ振り返れば、頭上から雪をかけられてしまった

『つ、めたい…！もう！ベル！』

「うししっ♪って、つめて！」

柔らかな雪玉を作りベルの顔に投げつける

『先ほどの仕返しです！』

「んにゃろ、やりやがったな…！おら！」

『っ！ひ！』

投げられて投げてを繰り返すミニ雪合戦を気がすむまで続けた

じゃれ合いながら遊んでいたが次第に疲れてしまい
気がつけば2人揃って積もった雪の上に座り込んでしまっていた

『ふふっ、こんなに遊んだのはいつぶりでしょうか』

「ししっ♪子供ん頃もこんな遊んだ覚えはねえな。てか、Aはなんで雪が好きなんだっけ？雪が好きとしか聞いたことねえけど」

ふと投げかけられた疑問に少し考えながらも、灰色の空を見上げながら答える

『んーたぶん、空からの特別な贈り物だから、だと思います』

「贈り物？」

頬に降ってきた雪がふわりとあたり、溶けていく

『幼い頃から、私の誕生日の日には必ず雪が降るんです。だから、これは空からのお誕生日プレゼントなのではないかと、幼少の私は思っていたんですよね』

空から次々に舞い落ちる雪を手に受け止めてみる

大粒の結晶は少し煌めいた後に儚く消えた

『子供ながらにロマンチストと言いますか、自意識過剰と言いますか…それでも、幼少の頃に抱いた単純に綺麗だという気持ちを忘れられず、それが今の雪好きに繋がるのかもしれません』

照れ臭く笑うとベルはそんな私の頬をつついた

「自意識過剰とかでもいいんじゃね？おかげで、子供っぽいAが見れて王子的にはラッキーだし♪」

『か、からかわないでくだ、さ、はっくしゅ！！』

突如襲ってきた寒さに耐え切れずくしゃみをしてしまった

身体が自然と震える

「げっ大丈夫かよ」

『た、ぶん？』

「いや、ぜってえ大丈夫じゃねえだろ！？ほら、はやく中戻んぞ、って！すげえ身体冷えてんじゃねえか！なんで王子にはやく言わねえんだよ！」

『すみま、せん』

自覚してしまったが最後、途端に身体は重くなり倦怠感に襲われる

(いつぶりでしょう、この感じ)

どうやら久しぶりに風邪をひいてしまったらしい