28話 ページ33
着替え終わり、鏡の前に立つ
こういう色の服はあまり着たことがないので、正直少し不安だ
しかしベルを待たせるわけにもいかないと思い、勇気を出して部屋を出る
左隣の扉の前まで着き、控えめにノックする
『ベル、あの、着替え終わりました』
しかしいつまで経っても返事が返ってこない
首を捻りながらそーっと扉を開ける
『ベル…？あっ』
部屋の中は落ち着いた家具で統一されており、その中の一つの気品ある椅子に座り静かに寝息を立てている彼がいた
ドアをゆっくりと閉め、足音を忍ばせてベルに近づく
私が近くに来ても起きる気配はない
少し空いた窓から吹く風が優しく金髪を揺らす
ああ、やっぱり
(好き…です)
零れ落ちそうな想いを必死に飲み込む
彼が私に良くしてくれているのは、気に入っていただけたから
ただそれだけなのだ
キラキラと光る金髪がティアラにかかる
それを払おうと手を伸ばす
パシッ
すると突然寝ているはずのベルに手首を掴まれる
『っ！？』
「…なんだAじゃん」
ゆっくりと彼の手が離れる
一瞬ゾクリと冷たい何かが走ったのは暗殺者だからだろうか
心臓がまだバクバクと脈打っている
落ち着かせるように胸の前で手を握る
ベルはというと先ほどの鋭い気配は何処へやら
腕を上げ伸びをしているではないか
私がそれを見て目を丸くしていると、ベルが私を見て口角を上げる
「うしし♪ちょー似合ってんじゃんさすが王子チョイス」
『あ、ありがとうございます…！』
嬉しいのと恥ずかしいのとで頬が赤くなる
先ほどの肝が冷えるような感覚はまだ残っているが、そんなの関係ないと脳裏から無理やり消し去る
『それで、これからどうするのですか？』
壁に掛けられた時計を見るとまだ夕食にはまだ早い時間だ
「んー？したら、アジトん中見て回ろうぜ♪」
『はい！』
椅子から立ち上がったベルは、自然な動作で私の手を取る
いつだって心臓がうるさく早鐘を打つのは変わらない
けれど今日は少しだけ勇気を出して軽く握り返した
(私の想いがどうか伝わりませんように)
(俺の所に早く落ちてきて、愛しい人)
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
もうお前ら早くくっつけよ←
って思いますよね
まだまだこのもどかしい関係は続きますよ！！！！
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海波(プロフ) - Lemonadeさん» ご許可いただきありがとうございます！！作品の方頑張って展開していきますね！この度は本当にありがとうございました！ (2019年7月4日 0時) (
レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
Lemonade(プロフ) - やり方が分からなくて不安でしたが無事見ていただけて良かったです！本当ですか？！是非よろしくお願いします！これからも作品を楽しみにしています！ (2019年7月3日 19時) (レス) id: 242d92c946 (このIDを非表示/違反報告)
海波(プロフ) - Lemonadeさん» わわ！！イラストありがとうございます！！めっちゃくちゃかわいいですね！？！？優しげな青い目！イメージ通りです(T ^ T)もしLemonadeさんがよろしければ、作品の方で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2019年7月3日 0時) (レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
Lemonade(プロフ) - 主人公ちゃんが可愛くて想像で描いてみました！http://uranai.nosv.org/uploader/common/a/6/8/a6871613ed38166c9696639f2820355b.jpeg (2019年7月3日 0時) (レス) id: 8e4b5ba485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海波 | 作成日時：2019年6月21日 16時
