杖に魅いる２【ハリーポッター】 (ページ33)

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第33話ページ33

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「怒ってるのか」

『なにを？』

ひとりで芝生に寝転んでいるとドラコが上から顔をのぞかせた。

「グレンジャーのことだ」

『怒った、というよりショックだったわ。』

ドラコは寝そべる私の隣に座った。
目も合わせず空を見てたから、彼も一緒に空を見上げた。

ビックリするくらいの曇りだけど。

『ホグワーツに入ってから驚くことがたくさんだったけど、ドラコ、貴方にも驚いたの。
だって入学前のドラコは、優しくて勇敢で、いい人だったもの』

「僕はこういう人間だ。」

そう言って開き直るドラコ。
私は体を起こして座った。背中の芝生をドラコが払ってくれた。

『ありがとう。
こうやって優しかったから。ハーマイオニーをああ言ったとき、衝撃で体が動かなかった。初めてよ』

「こんな気持ちになったのは」そう付け足すと「どんな気持ち？」と言い返された。

『幻滅したというか。貴方の悪いところを信じたくなかった。』

「僕を嫌いになったか」

『いいえ。それも貴方だから。
友達は、正しいほうへ導くのが友達だと思うから』

そしてようやく、ドラコの顔を見た。
声色とは違い、ひどく悲しそうな顔をしていた。

「じゃあ君が正してくれ。僕を」

『ドラコ？』

そう言い残してドラコは走って戻って行った。
途中コケそうになっていたが、体制を戻し待たせていたのであろう取り巻きと去ってしまった。