杖に魅いる２【ハリーポッター】 (ページ38)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:142,361 hit

第38話ページ38

．

『ああ、すごい』

図書室に来たAは思わず声を漏らした。

たくさんの本があるからではなく、秘密の部屋に関する本がみんな借りられてしまい、大きな隙間を開けていたのだ。

『あ、これ…』

隙間の端っこには、奇跡的に秘密の部屋に関しそうな本が一冊だけあった。
いかにも古そうだった。

Aが本の角に指をかけた。

すると誰かが後ろから、Aの手に被せるように本を取ろうとした。

────え、私が取ろうとしてるのよね…？

固まったAは頭の中でぐるぐる考えていた。

なぜ同じ本を取ろうとするのか。本は確実に自分の方が早く触れているのに。

「おい、なに固まってるんだ？」

隙をつかれ、本は相手に奪われた。
そこでやっと後ろを向くと、赤毛の男子がいた。

『だれ？』

「だれ？おいおい、まさか忘れたとか言わないよな」

『ごめんなさい。聞き方が悪かったわ。フレッドかジョージかどっちかなと』

「まだ分からなくて」無理もない。フレッドとジョージは瓜二つだ。

「ジョージのほう。それよりこの本、俺に貸してくれたってことでいい？」

『そ、れは。うん。いいわよ』

ジョージはやり！とニッコリ笑った。