夢で恋は終わらせない。 Fuma.K (ページ4)

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▽

「ちょっ、Aちゃん」

焦った表情の中島先輩が思わず握ってしまった手を離させた。

「転生ごっこは俺とだけしようね？なになに、菊池狙いだったの？その落とし方は無理だと思うなぁ……」
「いやちが、私は真面目に……」
「何こいつ。中島の後輩？」

怪訝そうに眉を顰めて
私を見下ろす。

「見つけた、私の運命のひと……、」

涙が止まらない私に困ったような顔をした中島先輩が青いハンカチを手渡した。

「Aちゃぁん……」
「中島説明しろ」
「なんかね？前世の記憶があるみたい。多分。菊池が前世で大事な人の生まれ変わりらしい……多分」

「ふーーーん。キモっ」

ゴミを見るかのような視線を送られると
さすがに傷つきはするけど、めげない。
ふうまさん、私はめげません。

ふうまさんとの約束守ります。

「ふうまさん」
「馴れ馴れしく名前呼ぶんじゃねえ」
「あっ、Aちゃん……こいつ菊池風磨……」
「じゃあ菊池先輩」
「ナニ」
「私と付き合ってください！」
「イヤです。頭イカレてんの？」

秒殺……ふうまさん、私めげませんから。

「絶対絶対ふうまさんの雪辱をはたしてみせますから！」

「俺なんもしてねぇし……ていうか、中島なんとかしてくれよ」
「こんな不思議ちゃんじゃなかったし、そもそも俺と当番の時とか何度か菊池と顔あわしてるはずなんだけどね」
「こんなアタックのされ方はじめて。俺には荷が重い」

どうやら前途多難のようですが
一日目で出会えた私は幸運です。

「でもほら顔見て、大真面目だよ」

お空のふうまさん……見ていてくださいね。
そう思いながら図書室の、汚い天井を見上げた。