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「前世でどんなかんじに生きてたとかより、その、大事な人?探したいんじゃないの?」
「……おっしゃる通りです」
「よし、じゃあ平安時代とはしかのこと調べるのはまた今度ね。さあ、戸締りしよ!」


カウンターに広げた本を全て持って
先輩は元の位置に戻していった。


「せんぱ、私 嘘ついてない……っ」
「ウーン、なかなか厳しいよね。リアルすぎる夢を見たんじゃないの?運命的な恋ならきっと他でできるよ。そうだな、例えば俺とか」
「でも、見つけたい……」
「スルーするんだ……。ほら、でも顔しか特徴ないならどうしようもないよ?名前は住んでる地方は?何してる人?」


詰め寄るように言われて思わず後ずさる。


「な、名前はふうまさん!」
「ふうま?あ、俺の友だちもふうまって名前のヤツいるよ。会ってみる?そいつかも」
「え!本当ですか!」
「うん。あ、うしろ」


うしろ?
振り向くと 思ったよりも距離が近くてぶつかった。よろけて思わずぺたんと座り込んだ。


「あ、ごめん」


ぶつかった人は私に軽い謝罪をすると
中島先輩に詰め寄った。


「再テストおつかれ」
「再じゃねーよ。休んでたから初。お前の忘れもの届けに来てやったんだから」
「ありがと。もうすぐ終わるから一緒に帰ろうよ」
「ヤダ。帰る」


心臓がばくばくとうるさく音を立てる。
いやそんな、まさか。
じわりと涙が滲んだ。


「ほら菊池が突き飛ばすから Aちゃん泣いちゃったじゃん」
「え、ガチ?そんな痛くした?ごめんな」


びっくりした。
だって夢の中で見たふうまさんと
まったく同じ顔をしていたから。

こんなにはやく出会うことある?


私の記憶の中のふうまさんより
髪の毛が明るくて
ふくふくしてる。

だけど この人が生まれ変わりだと
信じて疑わなかった。



「ふうまさん」
「俺の名前知ってんだ」



……見つけてどうするの?
私のことを何も知らないこの人が
幸せにするとか、そんなことを思う訳ない。


けれど、頭の中で瓜二つの顔の悲しそうな顔が忘れられなかった。



「わ、私と……結婚してください!」








「……は?イヤです」

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作者名:ゆき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2021年8月22日 22時

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