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▽
「先輩、運命って信じますか？」
「ブホッ」
図書室のカウンター
横に座る中島先輩が盛大にパックに入った飲むヨーグルトを吹き出した。
「きったない！先輩！きたない！」
「2回言わなくてもよくない？」
大声で叫んでしまい
まわりを見渡すけど
良かった、もうすぐ図書室は閉館だし
誰もいないみたいだ。
「何それ、急にどうしたの？」
「私……前世の記憶があって」
「うん？中二病でも発症した？それともそういう漫画でも読んだのかな？」
転生もの最近多いもんね、なんて中島先輩は言うけれど違うそうじゃない。本当のこと。
当番の際に 読もうと拝借した本は
全て 今朝見た夢に関係ありそうなものだ。
「多分、平安時代です。なんか服がぽかった！」
「なるほど」
「昔の流行病ってなんだろう……」
「ええ……天然痘とか？」
「なんですかそれ」
「藤原四兄弟を全員死に追いやったってやつ」
「それ奈良時代ですよね……じゃあ奈良時代なのかな……。高熱と発疹が全身にでて、かかったら、死ぬの」
ううん、と大真面目に考えてくれる。
確か先輩は 横文字ってカッコよくね？って理由で世界史選択のはずだけど。
「はしかじゃない？」
「……なるほど！はしかのこと勉強しよ」
「Aちゃん、ちょっと待って。先輩 急展開についていけないの。何があったの？俺 後輩が不思議ちゃんだった時の対応法知らないよ？？」
「私は 多分 大事な人を置いて１回死にました。だから今世でその人を見つけなきゃ行けなくて……」
「ウン、頭のお医者さんあとで調べてあげるね……とりあえず、病気のことよりさ その人のこと探すべきじゃない？」
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作者名：ゆき
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2021年8月22日 22時
