可愛い君は、俺のもの。Fuma.K

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ケープとかマトメージュを駆使して綺麗なポニーテールにしたんだよ、今日も。

｢え〜、ここに入社したの？新卒？うわぁ、この前小学校入ったばっかりじゃん？｣
｢ちょ、｣


風磨くんが大きい掌でぐっしゃぐしゃに頭を撫で回す。そりゃもう容赦なく。


｢こないだまで身長1mとかだったじゃん？おっきくなったなぁ｣
｢菊池。知り合いだった？｣
｢幼なじみだったんですよ。な？｣
｢……とりあえず、挨拶させてやれ｣


風磨くんが私から離れ、にんまりと見つめる。

目線を上に向ければ、意味がわからない位置に前髪があって いま私の頭はどれほどぐしゃぐしゃなんだろう。ああもう、風磨くんのせいで顔から火が出そうだ。


挨拶をしてまばらな拍手を受けたあと、面談……ってなって 課長がまず、髪ちゃんとする？と聞いてくれた。トイレで自分の姿を見た時はまあ、絶望した。第一印象、最悪。全部風磨くんのせいだ。









｢改めて、中島さんに担当してもらう佐藤クンです｣
｢……佐藤です、よろしくお願いします｣
｢よろしくお願い致します｣

｢致します、って俺全然言ってないなぁ。初々しいね｣


正面のデスクから風磨くんが顔をのぞかせる。……う〜、うざい……。覚えた最上級の敬語を使って何が悪いの。


｢ほんとにひさしぶりだね、｣
｢……ソウデスネ｣
｢えっと、中島さん。とりあえずカタログに目通してみて。それと、電話が鳴ったら出てほしい。使い方は……｣


ナイセンとかガイセンとか
見たことないほど押すとこのいっぱいある電話とな……なに、転送とか使ったことない。


｢会社名と名前を聞き取って貰えたら、あとはだいたい人にまわすだけだから。電話は慣れるしかないからね｣
｢……はい｣



新入社員が真っ先に電話をとれって
研修で嫌ってくらい聞いた言葉。

それをきちんと守るために、少し指が震えながらも受話器へと手を伸ばした。








｢はい。プラチナフロントでございます｣

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