可愛い君は、俺のもの。Fuma.K

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4月1日

入社式を終えた私は何名かの同期とともに人事部の後ろをついて行った。


｢俺も数年前めちゃくちゃ緊張したなぁ。でもみんな優しいからね、わからないことはすぐに聞いて、返事と挨拶はしっかりね？｣


今年3年目だという人事部松島さんが
こちらに問いかける。

まばらに返事をする私たちに苦笑いした。


｢えーっと、中島さんは第2営業部だからここだね。ちょっと待ってね｣


わ、私が一番最初にお別れ……。松島さんが男の人を連れてきて他の子を連れて立ち去った。


｢えっと、第2営業部第1販売課 課長の櫻井です。はじめまして｣
｢な、中島Aと申します……！よろしくお願い致します｣
｢緊張しちゃうよね、とりあえず第2営業部にだけ挨拶して、ちょっとだけ面談しよっか｣
｢はい！｣


第一印象って大事だもんね、頑張らないと……！
課長さんのあとをついて行き、フロアの中に入る。



｢はいみんなちょっと手止めて。今日から配属になった中島さんです。じゃあ、挨拶を……｣


みなさんが仕事する手を止めて、立ち上がる。ふと、私の方へとツカツカと足を進める人がいた。え？


｢Aじゃん｣
｢え、｣
｢え、なんでいんの？Aだよな｣



遡ること……10数年、同じ学校に通ったことは1年だけ。6年生だった彼が登下校の班の班長で、入学したばかりの私の手を優しく引いてくれた。いや、なんでいまそれ思い出したんだろう。


気持ちに蓋をしてから10年が経過した……なのに、なんで？



｢風磨くん……？｣



拝啓 神様

これはどういうイタズラなのでしょうか

風磨くんが
なぜか入社した会社にいました。

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