#20鎌 ページ20
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「A〜。へへ、まだ飲む〜」
『いやいや、飲み過ぎなんだよもうやめい!』
そういうとそらるは私の肩に頭を預けてきた。
あれからSっ気プンプンのそらるに言いくるめられ、仕方なく居酒屋に来たのだが
客が多すぎて結局彼の家で宅飲みになった。
「Aっ!好き〜へへへ」
『待てそらる。君の告白はいい金になるからとっておけ』
「?」
うーん。研修時代は酒飲んでもこんなにキャラ変わらなかったよなぁ…
予想はしていたが、勿論べろんべろんに酔っている。
いつもの「会社の王子様」の面影は全く無く、ずっと肩やら髪の毛やらをさわってくる。
ふっ、会社に行ったら散々からかってやろう。
私はあまり酒は飲まないので正気だ。
「A〜?…可愛いね。ふふ」
そう言って何本目か分からないビールに手を伸ばすそらる。
『はぁ……』
普段の眠そうな目が、より一層トロンとなり色気をガンガン放出している。イケメンだね。くやしいけどイケメンだね。
喋り方がまふ君のようだ。
…まふ君…まふ君固定電話の使い方分かるのかな…………
『まふ君……』
そらるを介抱するのにそうとう時間を食いそうなので、使い方が分かるかは知らないが一旦電話をかけてみよう。
そう思って玄関に置いた携帯を取ろうと、立ったはずなのに
「誰、そいつ」
聞いたこともない低い声とともに
綺麗に掃除されたそらるの部屋の天井が、視界に映った。
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作者名:まんぼうコロッケ | 作成日時:2018年8月15日 19時