ユーキ王子の心を奪いたい！ (ページ16)

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第16話￤小悪魔タクちゃんページ16

side￤Ｙ

「ってことってどういうことだよ」

謎のダメージを受けて、テーブルに突っ伏す。

コーイチとユースケは完全に面白がっていて、「ユーキ、元気だしーや」「こんな日もあるよ！」と励ましてくる。

顔を上げると、タクちゃんと目が合った。

「ユーキくんってさ、Aのこと好きなの？」

真っ直ぐな瞳でそう問われた。

「そんなわけないじゃん」

そう答えると、「ふーん」とアイスコーヒーを飲むタクちゃんは本当に綺麗。

「じゃああの身長180センチの関西弁純白イケメンにA取られちゃっていいんだ～」

「う、」

「オムライス作ってあげちゃうらしいけど～」

「うう、」

「俺、前にユーキくんにいつか飽きると思うからって言ったけどさあ」

「うー、」

「あ、まあそんなわけないから関係ないか」

意地悪な顔のタクちゃん。

「分かったよ！好き！かも！あのアホが！」

俺がそう叫ぶとコーイチとユースケが「ヒュー」と合いの手を入れてくるけど無視！

俺の決死の叫びを聞いたタクちゃんは、くっく、と笑い出した。

「いやー、ごめんユーキくん。あれ、Aの双子の弟」

「え？」

「大阪から帰ってきたんだね俺も知らなかったや」

時間が止まったような気がした。

これはまさか、はめられた？

「ひっでえタクちゃん、、」

「こうでもしないとユーキくん認めないと思って」

天使なんかじゃない、悪魔だ悪魔。

「そうと決まったら！ちゃっちゃと口説かんとな！ユーキ！」

いや、なんも決まってないし。

「ユーキしゃん頑張ってね～」

だから頑張らないし。

「恋愛はかったるい！女の子は策士！」

「今更言っても、遅くない？」

「遅いで？」

「遅いよ！」

ハモるな。