とくべつだからね2 短編 〜by Kei.Ｉ〜

（5） ページ18

.





聡「あとなんことまったらつくかなぁ？」



電車がスピードを落として途中の駅のホームに入ると、

目の前に座っていたおじいさんが席を立ち、電車を降りて行った。




A「聡ちゃん、座らせてもらおう。」


聡「へーき！Aちゃんがすわって！」




なぜか座ろうとしない聡ちゃん。




A「お姉ちゃんは大丈夫だから、聡ちゃん座ろう？」


聡「あのね、おともだちのけんとくんが言ってたの！女の子はおひめさまだからやさしくしなくちゃって！」



A「あははは、けんと紳士だな！」



聡「しんしってなぁに？」





イマドキの幼稚園児の会話ってこれが普通なの？



聡ちゃんの口から出た言葉に驚き、
感心しつつも自分だけが座る訳にはいかなくて




膝の上に聡ちゃんを乗せて二人で一緒に座らせてもらう事にした。




.





慧「次、降りるよー」


聡「はぁーい！」




休日の動物園なかなかの混み具合。


迷子にならないように小さい手をしっかり繋ぐ。




.




.





ゾウさんを何分も眺めたり、

大人気のライオンを見るために慧くんが聡ちゃんを肩車してくれたり、

ウサギの餌やりに挑戦したり、

聡ちゃん念願のカピバラと写真も撮って...







気が付けばあっという間に夕方。


ずっとはしゃぎ続けていた聡ちゃんは慧くんにおんぶをされて寝息を立てていた。

（6）→←（4）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す