＊アイリス 破れたページ

No2ー9 ページ23

ウチは夢を見てたんかな？




幸せな毎日をおくってたあの子はダレや？



ツインテールに高い身長…



ウチか？




いや、違う、アレは…


ウチじゃない、ウチ？



「よぉ分からへんわ」



考えるのをやめて





そこでウチは、変色した瞳を髪で隠し、外へ出た






「ウチ、もしかして一人ぼっち？w」




てくてくと歩いて着いた先は中学校






すると大人の人がやって来て、





『キミを探していた』




と言い、入学てつづきを終わらされていた





『キミ、名字は？』




名字？…ウチ、何ソラカやったっけ





「あ、えと、晴乃日ソラカ…です…」




これから通う中学校。




ウチは昨日の記憶も無いまま、明日を探しにいく





この晴れた空の下、たった１人で









そう思っていた






「ねぇ、」




声をかけてきたのは、ウチと同じ、髪で顔を隠した青年だった




「君とオレ、案外似た者同士かもしれないね」




笑って、ウチに顔を近づけてくる





「なんの用や？」




「オレもさ、1人ぼっちなんだ。君と同じ、昨日の記憶も無いし」






まさにそれは運命だった





生きる糧をソラカは見つけたのだ






「運命…やな」




「そうだね、」






今日から２人は、兄妹として暮らす事となる









「…信じられへんわ、こんなコト」




「何か言った？」




「ううん、なんでもないよ







お兄ちゃん」









＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿




「ソラカちゃんって頼りになるね！」




ホンマにそんな事思ってんの？




「晴乃日さんって、なんでも出来るよねぇ。憧れる〜！」







そう思われるように、演じてるんだよ。




『んなコト無いって〜』



どんな言葉も信じてはならない



いつか夢の中で見たウチは、いつか痛いめに遭うはずなのだから。






いつでも明るく、憧れられるソラカであるように。





今日も明日も演じ続ける。









今日、この日は晴れ。






☆ＥＮＤ★



「辛いなら現実から逃げ続ければいい。でもホンマにそれでええんかな？」

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