＊アイリス 破れたページ

No2ー5 ページ19

あたしが悪いんだ。



リンを守れなかった、あたしが。









自分に言い聞かせて

なんにも動じないフリをして



今日も学校へ行く。






本当は辛い。でも我慢しなきゃいけないの…







それが皆から信頼される者の宿命なんだから。









〜休み時間〜



「神谷さん、下級生の子がコレ渡してって。」




受け取ったのは小さなメモ。





中にはこう書いていた



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


今日の放課後、バトンでわからない所があるので


体育館で教えて下さい！

お願いします。m(＿)m

　 ミスズ、トモカより


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





部内の子からだった。



この２人は練習熱心でいつも競いあっている。





『またか…頑張ってるなぁ』



そう呟いてパンッっと頬を叩いた






『落ち込んでたら、何も始まらないよね！』





そういってあたしは歩き出す。








後ろなんて振り返らずに。






〜放課後〜




あたしは体育館へと向かう。





バトンを２人に教えるためだ。





『あたしのこと頼りにしてくれてるんだよね…』






２人の暖かい声を思い出しながらガララっとドアを開けた。









〜体育館〜





目の前に広がるのは【赤黒い水の海】





『嘘でしょ……』






ミスズとトモカが首を吊って死んでいた





宙に浮いた足の下には２台のスマホが






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


たすけ

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿







あたしは……また…







『ごめんなさいッ……あたしは……あたしはッ……』




血の水溜まりを踏んで、いちもくさんにあたしは駆け出した








このことを早く誰に伝えないといけない…






『ハァ、ハァ、ハァっ』




やっとあたしが探している人の背中を見つけた。






『マコトッ！』

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