第14話 ページ16
「今正直に言えば俺も怒られねぇ。見ての通り、俺の指にはタバコがくっついてる。下手すりゃ口にくっついてた。」
怒らないとか言いながら顔が鬼のように変わっている土方は、今もなお指についたタバコを引っ張っていた。
「だからな、これやったやつ出てこい。怒らねぇから、切腹で許してやる。分かったかてめぇらぁ？！」
「は、はい！！」
突然声をあげた土方にみんなビビって青ざめた顔をしながら沖田を見ていた。
「あ、すいやせん土方さん。俺ちょっとAと出かける予定があるんで行っていいですかィ？犯人見つかるといいですね。」
「え、予定…？あ、うん予定がある。」
「おい待てこら犯人ども。」
「何ですかィ？」
「やっぱお前ぇらじゃねぇかぁ！！」
怒り狂った土方の前に座り沖田は宥めるようにしてライターを出し、土方のタバコに火をつけた。
「土方さんまぁタバコでも吸って落ち着いてくだせぇ。指にくっついてたら固定されてていい感じゃないですか。」
その後は慌てる土方を無視し沖田は私の手を引いて高笑いをしながら屯所を出た。
「見ましたかィ？あのマヨネーズ馬鹿の顔。ありゃ傑作もんでさァ。」
そう言いながら面白かったか、と聞いてきた沖田の言葉に首を傾げる。
「面白い？…面白い。おも、しろい…。」
「…何回言うんでさァ。」
1人で何か考えている沖田にまた首を傾げる。
彼は面白いか、と聞いてきた。
面白いというのは心が明るくなって笑いが出てくることだと銀時に教えてもらったことがある。
笑いは出ない。
どうやったら笑えるのか分からないから。
でも嫌じゃない感じ。
「…難しい。」
感情というのはこんなにも難しいのか。
「ちょっと見回りがてら歌舞伎町デートでもしやしょう。Aはこの町に来たの初めてで？」
「うん、初めて。」
「ここに来る前はどこにいたんですかィ？」
「…色んな、所。」
そう言うと沖田がそれ以上何か聞いてくることはなかった。
ただ笑って、私にこの歌舞伎町という賑やかな町を案内してくれた。
道中いろんな……個性のある人に出会ったがみんな本当に賑やかな人たちばかりだった。
特に赤いメガネのさっちゃんって人とか。
こんなに晴れ晴れとした気持ちになるのは初めてかもしれない。
なんて言えばいいのか分からないけど、ずっとこの状態が続いて欲しいと思った。
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時々雨(プロフ) - 返信頂けて嬉しいです。ありがとうごさいます！のんびりといつまでも待ちますので、無理なく頑張ってくださいね。楽しみにしてます！ (2020年9月10日 1時) (
レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 時々雨さん» コメントありがとうございます！続きがなかなか思いつかなくて無理かなぁと思っておりましたが、今回そう言っていただけたのでまたストーリーを考えて頑張っていきたいと思います！時間はかかるかもしれませんが自分なりに作成していこうと思います！ (2020年9月8日 21時) (レス) id: 201a018e64 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - コメント失礼します。だんだんと主人公が自分と向き合いはじめ感情に名前がつきはじめ、どうなっていくのかと気になります。続きはない感じでしょうか…？とても気になる内容で是非続きを読んでみたいです！ (2020年9月8日 16時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - BT21 さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年9月16日 21時) (レス) id: 6f16964e99 (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - 凄い面白いですね松陽先生も出てくるし続き楽しみです更新頑張ってください (2019年9月16日 21時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2018年6月16日 0時
