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第26話 ページ28

フェリドさんが戻ってきたということは何かあるんだろうか。


そう思ってクローリーと2人で彼から出てくる言葉を待っていると、思った通り何かあるみたいだった。


「あのね、ラブラブしてるところ悪いんだけどさ。クローリー君、そろそろ僕ら移動しないと。」


「え、もう?Aはどうしよう。」


そう言って心配そうに私を見ていた。
確かに、私はこれからどうしたらいいんだろう。


「うーん。僕らと一緒にいた方が安全だけど帝鬼軍の制服着てるし、拷問されちゃうかもよ?」


「それだけは絶対に嫌です。」


痛いこと嫌いなのに拷問なんて絶対耐えられないし。
グレン中佐にはなんかすごく悪いけど。


「でもA1人じゃ心配だよ。」


そう言って私を心配そうな顔で見ていたクローリーはポンっと頭に手を置いた。


それが嬉しくて私も頭にのっているクローリーの手を握る。


それを見たフェリドさんは満面の笑みで言った。


「ついこの前までこの子のこと殺そうとしてた奴から出てくるセリフだとは信じられないねぇ〜。」


今の言葉も結構グサッと彼の心に刺さったようで、無言で顔を沈めた。


「あんまりクローリーをいじめちゃダメですよフェリドさん。意外と繊細なんですから。」


「え〜?事実だしぃ。とりあえず僕らは早く戻るよクローリー君。」


クローリーは一度ため息をついて分かったと返事をした。


「A、空港でまた会おう。それまで絶対に死んじゃダメだからね。」


「分かってる。クローリーも気をつけてね。」


その言葉と共に目一杯背伸びをして彼の頭をポンポンと撫でた。

クローリーは少し驚いていたが嬉しそうにして笑った。


「…はぁ、お互いが大好きなのはもう十分伝わったから。」


少し呆れたようにしてフェリドさんはそう言った。


「だ、大好きだなんてフェリドさん照れます。大好きですけどね!」


「僕も。」


「…ねぇ、もう僕の前で絶対ラブラブしないでね。なんかムカつくから。」


何故か拗ねてしまったフェリドさんに小走りで近寄り、先程クローリーにしたように頭をポンポンっと撫でた。


「フェリドさんも気をつけてくださいね。あなたが死んだらクローリーが泣いちゃうので。」


そう言うとさっきまで拗ねていたのが嘘のようにパァっと表情が明るくなった。


「そうだね!クローリー君が泣いちゃうもんね!君が死んだ時みたいに!」


「ねぇ、それ掘り返さないで。恥ずかしいから。」

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ユーリ(プロフ) - 宙ブラリンさん» 前作から読んでいただけるなんて!!ありがとうございます!コメントせずすみません!イベント参加させていただきました! (2019年12月30日 18時) (レス) id: 0114b7eb58 (このIDを非表示/違反報告)
宙ブラリン - 前作から読みました!切なく、それでいて甘いそんなお話ですね。とても面白かったです!イベントに参加していただきありがとうございました(*^-^*)次のお話も楽しみしています! (2019年12月30日 14時) (レス) id: 15f9c254a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - マリさん» 楽しんでいただけて良かったです!応援ありがとうございます!! (2019年9月15日 19時) (レス) id: cb16296158 (このIDを非表示/違反報告)
マリ(プロフ) - 最初から読ませていただきました!とっても面白かったです!次回作も頑張って下さい! (2019年9月15日 19時) (レス) id: 827ab458fd (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - なぎさん» なんて嬉しいコメント…!ありがとうございます! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 58c08e5576 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年2月20日 20時

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